「幸せなら 手をたたこう」という歌をご存じだろうか。坂本九という歌手が1964年に唄ってヒットした。
歌謡曲のようでもあり、童謡のようでもある、不思議な位置づけの歌となっている。
今回私が取り上げたいのは、その歌詞のみだ。
「幸せなら 手をたたこう」は、スペイン民謡が元になっているそうだ。今まで知らなかった。作詞をしたのは、木村利人(きむらりひと)。現在では世界各国の言語でも歌われている。
「幸せなら 手をたたこう」には以下のようなエピソードがある。
作詞は早稲田大学人間科学部名誉教授の木村利人。
元々は木村が学生時代フィリピンでボランティア活動をしていた際に子供たちが歌っていた原曲を耳にし、木村が帰国の途に着いた際に、旧約聖書の詩篇47篇「すべての民よ、手を打ち鳴らせ。神に向かって喜び歌い、叫びをあげよ」を参考にして詞をつけたものが元になっている。
これが仲間内の愛唱歌として歌われていたのを偶然坂本九が耳にし、いずみたくの元にうろ覚えのまま持ち込み、それを元にいずみが採譜してレコード化、全国的にヒットすることとなった。
木村利人は、ボランティア活動中に現地のフィリピン人に「日本人を殺してやろうと思っていたが、間違っていた。過去を許し、戦争をしない世界をつくろう」と言われ涙した経験を持つ。
「苦しみや悲しみを乗り越えて命を尊び、日本人を受け入れてくれた地元の人々に応えたい」という思いから、木村利人は「幸せなら 手をたたこう」を作詞した。
つまり「幸せなら 手をたたこう」は、反戦歌であり、平和への祈願の歌であり、みんなで生きる歓びを分かち合おうという人類愛の歌、人間讃歌なのである。
⇒木村利人氏と「幸せなら 手をたたこう」に関するエピソードはこちら事へ