映画「父と娘の歌」は、1965年に日活で公開された。
監督は齋藤武市(さいとうぶいち)。「愛と死をみつめて」を監督したのは、この齋藤武市である。
主演は、父娘を演じた、宇野重吉と吉永小百合。浜田光夫と山内賢も共演している。
際立った特徴は、吉永小百合のピアノ演奏シーンがふんだんに観られることだ。
ラストのコンサートでの演奏は圧巻である。
この映画が安っぽくなっていないのは、吉永小百合のピアノ演奏シーンにリアリティがあるからだ。ピアニストから相当なレッスンを受けたのだろう。
特筆すべきは、吉永小百合は、ピアニスト役を演じても、吉永小百合らしさを炸裂させている点だ。
かなりユニークな役回りのはずなのに、やはりこの映画でも、吉永小百合は吉永小百合だった。