岡本喜八監督の映画「ブルークリスマス」は、奇妙奇天烈な怪作である。

 

基本情報は、ウィキペディアから引用する。

 

『ブルークリスマス』は、1978年(昭和53年)11月23日に公開された日本映画。

 

実際の映画プリントのタイトルは「ブルークリスマス BLOOD TYPE:BLUE」と英語副題がつく。

 

東宝映画製作、岡本喜八監督により、倉本聰のオリジナルシナリオ『UFOブルークリスマス』を映画化した。

 

アメリカ映画『スター・ウォーズ』によるSFX映画ブームの渦中にあって、特撮映画の本家である東宝が「特撮を一切使わないSF映画」を目指した意欲作として知られる。

 

脚本は倉本聰。倉本聰のオリジナルシナリオのタイトルは『UFOブルークリスマス』となっており、映画のタイトルも同じにした方がわかりやすいとも思った。

 

この奇想天外なSF映画を、人間ドラマとして結実、定着させるのは至難の業である。

 

結果は、見ての通り、消化不良の安っぽさが滲む、B級映画になってしまった。

 

私がこよなく愛する岡本喜八監督の数少ない失敗作だ。

 

スケールの大きさが作品の魅力となっておらず、散漫な感じが否めない。

 

昭和の名俳優が数多く登場するのが、ちょい役的に出ていて、良さが生きておらず、宝の持ち腐れとなっている。

 

でも、前半の仲代達也、後半の勝野洋の熱演は見ごたえがある。特に、勝野洋は際立っていた。

 

それと、まだ幼ささえ残る竹下景子には凛とした存在感があり、この娯楽大作に、辛うじて品格を与えている気がした。

 

細部の詰めの甘さによるリアリティ不足は致命的だ。そのため、全編にわたって駄作の臭いがプンプンするのだが、部分的には見ごたえ充分なのところもあり、私としては、愛すべき愚作として、密かに評価したいのである。