宮城道雄(みやぎみちお)の「心の調べ」という随筆を読みました。
ハッとする気づきがあったので、ブログに感想を書きたくなったのです。
名曲「春の海」の作曲家である、宮城道雄という人。
そもそも、宮城道雄という人をご存知でしょうか。
お正月によく聴く「春の海」の作曲者だといったら、ピンとくるかもしれませんね。
以下のYouTube動画では、宮城道雄の演奏による「春の海」が聞けます。
この曲を知らない日本人は、ほとんどいませんよね。
随筆「心の調べ」の感想を書く前に、宮城道雄のプロフィールをご紹介しましょう。
宮城道雄のプロフィール
宮城 道雄(1894年~1956年)は、日本の作曲家・箏曲家。
生後200日頃から眼病を患い、4歳の頃に母と離別して祖母ミネのもとで育てられる。7歳の頃に失明。この失明を契機として音楽の道を志すことになる。
代表曲には「水の変態」「春の海」「五十鈴川」などがあり、今もひとびとに広く愛されている。1929年発表の「春の海」は、世界的な評価を得た名曲中の名曲。今も広く親しまれている。
また、「十七絃」「八十絃」などの新楽器を開発しました。さらには、東京音楽学校教授、東京芸術大学講師として後進の育成にも尽力し、日本音楽の発展に大きな業績をのこしました。1948年、芸術院会員、50年には第1回放送文化賞を受賞。
随筆家としての評価も高い。作家の内田百間とは親友同士であった。
随筆「心の調べ」の魅力
宮城道雄の随筆「心の調べ」を読んで特に感じたことは、宮城道雄の心が澄んでいることです。
文章が上手いか下手かでいえば、上手い。文章が美しいか美しくないかでいえば、美しい。
しかし、宮城道雄の整った文体は、彼の心の整いの素直なあらわれだと、すぐに直感しました。
盲目であるゆえに感性が鋭いということは、もちろんあるでしょう。しかし、それよりも何よりも、心が澄んでいるからこそ、微かな風にも震える弦のような美しい文章は生まれなかったと思うのです。
いえ、そういう理屈よりも、私自身、現在、心が乱れていることに気づけた、そのことに感謝します。
微風に震える水面のような感覚から、今の私は遠ざかっている。宮城道雄のとって普通のことが私にはあまりにも遠い。
これをきっかけに、心を明澄に保つことの大切さは、肝に銘じておきます。
他にも、たくさん宮城道雄の随筆が読みたくなり、アマゾンで「宮城道雄随筆集 春の海」を注文してしまいました。
本は増やしたくないのですが、この読みたい衝動だけは抑えられません。