【予告】2月17日(月曜)20時より「超絶ワンテーマ企画」を開催!

2月17日(月曜)20時より「超絶ワンテーマ企画『このテーマで最終回@時間無制限一本勝負』」、略して「超絶ワンテーマ企画」を、風花未来チャンネルにて開催。

 

以下から、3時間以上の動画をノーカットでご視聴いただけます。

 

【超絶ワンテーマ企画1】日本の未来、あるべき社会像とは

 

反響をいただいた場合、テキスト公開、Xのスペースでのおしゃべり会も、連動して実施予定ですが、それはともかく、まずは全身全霊で、語り切ります!

 

動画配信前、あるいは後に、以下の3つのテキストをお読みいただくと、理解が速やかに、深くなります。 以下のリンク先から、無料でダウンロードしてください 。

 

参考テキストのダウンロードはこちらから

 

風花未来、最後の力を振り絞って、語り切りますので、どうか、応援のほど、よろしくお願いいたしますm(__)m

成瀬巳喜男監督の映画「あに・いもうと」の京マチ子の演技、家族の描写は素晴らしい。

映画「あに・いもうと」をようやく最後まで見ることができた。

 

最初のシーンで、いつも観る気をなくしてしまうのだ。

 

しかし、京マチ子が登場してからは、映画空間に吸い寄せられてしまった。

 

全体として素晴らしい映画作品になってはいるが、ファーストシーンは失敗ではないだろうか。

 

それはさておき、この映画の最大の魅力は、無垢な魂を持ちながら、奔放な愛に生きるしかない豪深き京マチ子、前向きに自我を失うことなく、自らを成長させようとする、純真清楚な久我美子、この二人の演技の対照的な冴えに他ならない。

 

1953年に公開された映画だが、まだ時代は戦後の復興期、田舎の生活においては古い因習が残っていて、女性は「こうあらねばならない」という、どうしようもない固定概念に縛られていた。

 

新しい時代を生きる全く違うタイプの姉妹(姉の京マチ子と妹の久我美子)を、コントラスト鮮やかに描きだしたところが、成瀬巳喜男監督の手腕である。

 

主要な登場人物は、まるで、ドストエフスキーの小説の登場人物にように、クッキリと性格が描き分けられていた。

 

だから、この映画「あに・いもうと」は、映画というより、文学だと感じたのだと思う。

 

この映画「あに・いもうと」は、1953年(昭和28年)8月19日に公開された日本映画。監督は成瀬巳喜男。

 

室生犀星の小説「あにいもうと」の映画化作品である。この小説、未読なので、読んでみたい。

 

ところで、京マチ子と久我美子の姉妹のいる家族の構成だが、頑固一徹な職人気質の父親、古い日本の母親の典型のような優しく温かい母親、気性の荒い、実は妹思いの兄、それと全く性格の違う姉妹がいる5人家族

 

父親役は山本礼三郎が演じた。黒澤明の「酔いどれ天使」での悪役が印象的だが、この映画では、大きく変わろうとする時代が生んだ不幸な古い男性像をきっちりと演じきっている。

 

兄役は稀有な演技派男優として知られる、森雅之。最後まで、妹の京マチ子と和解させない演出が良かった。

 

母親役は浦辺粂子(うらべうめこ)が演じた。典型的な「日本のおかあさん」「日本のおばあちゃん」を演じさせたら、この人にかなう役者はいないのではないだろうか。この映画「あにいもうと」でも、典型的な古い母親像をしっかりこなしていた。

 

この5人家族の描写は秀逸だ。日本の戦後復興期における、家族の描写として極めて優れており、今の時代の家族観と比較すると、いろいろな思いが浮かんでくる。

 

最後に、京マチ子について。実質的な主演は、久我美子だが……。なぜなら、この映画は久我良子の視点で展開されているからだ。

 

で、あまりに、圧倒的な京マチ子を、最後に語りたい。

 

主要な人物をどのように映像に登場させるかは重要だ。京マチ子の登場させ方が凄かった。畳の上に寝ているシーンが、尋常ではない存在感を示しすぎていた。このシーンは、この映画の主題の枠を破ってしまっている。

 

悩ましいまでに美しい。演技は超ど級、規格外なので、この映画作品からも飛び出しているように感じられた。

 

ラスト近く、兄の森雅之との苛烈な喧嘩シーンは、凄まじいとしか言いようがない。

 

女性を男性が殴るシーンは不快だ。今の時代と違って、男が女を殴ることが日常的であった時代だろうけれど、殴るシーンが多すぎる気がした。殴ることを我慢する、そういう心理描写を入れてほしかった。

 

でも、そういうことは、名匠・成瀬巳喜男監督のこと、意図的にやっているに違いないのだが……。

 

京マチ子のような破格かつ特異な存在感を持たない、別の女優でも良いと思う。

 

原節子では無理があるが、「洲崎パラダイス赤信号」で、あばずれ役もこなした新珠美千代はどうだろうか。

 

ともあれ、映画「あに・いもうと」は、映画史上に残る佳作であることは間違いない。

映画「動脈列島」は近藤正臣と田宮二郎の対決、梶芽衣子の熱演から目が離せない。

増村保造が監督した映画はほとんど見ていますが、この「動脈列島」は未見でした。今回初めて、アマゾンビデオで鑑賞。

 

アマゾンプライムで鑑賞するのですが、年会費とは別の料金がかかるので痛い。それでも、また観たくなる、魅力あふれる映画です。

 

映画「動脈列島」はこちらで視聴可能です

 

 

「動脈列島」は1975年(昭和50年)9月6日に公開された日本映画。監督は増村保造。主演は、近藤正臣。共演は、田宮二郎梶芽衣子関根恵子など。

 

 

 

これほど凄い映画だとは思いませんでした。これは傑作と呼ぶにふさわしい作品。隠れ名作とは、この映画のことを指すと言いたいくらいです。

 

見どころは実にたくさんあります。

 

まず、テーマが面白い。当時、社会問題化していは「新幹線公害」を取り上げ、シリアスに描いたことが成功しています。

 

今見ても、ハッとし、考えさせられる点が多々あるのです。

 

次に、役者たちの演技のパワフルさ。

 

昭和の名優・近藤正臣の全身全霊の演技は、思わずのけぞりそうなほどの迫力です。役者としての位は田宮二郎の方が上でしょうけれども、この映画においては、近藤正臣が光り輝いています。

 

梶芽衣子の存在が効いていました。極限状況で愛し合う2人。その心理が手に取るように伝わってきて、画面に食い入ってしまったほどです。

 

梶芽衣子の必死さが、美しい。この女優の魅力をギリギリまで引き出した、この映画の底力に感謝します。

 

今回鑑賞してみて、この「動脈列島」は増村保造の代表作であり、日本が生んだ社会派エンターテインメント映画の名作のひとつに数えるべきだと実感しました。

 

増村保造監督はサスペンス映画が上手いですね。「黒の試走車」も素晴らしかったし、この「動脈列島」も実に面白かった。