坂村真民の「鳥は飛ばねばならぬ 人は生きねばならぬ」という詩をご紹介。

 

鳥は飛ばねばならぬ 人は生きねばならぬ

 

鳥は飛ばねばならぬ

人は生きねばならぬ

怒濤(どとう)の海を 飛びゆく 鳥のように

混沌の世を 生きねばならぬ

鳥は本能的に 暗黒を突破すれば

光明の島に着くのを知っている

そのように人も 一寸先は闇ではなく

光であることを 知らねばならぬ

新しい年を迎えた日の朝

わたしに与えられた命題

鳥は飛ばねばならぬ

人は生きねばならぬ

 

一寸先は闇ではなく 光であることを 知らねばならぬ」は秀逸ですね。

 

坂村真民には求道的な詩が多いのですが、この詩は特にその傾向が強い。

 

仏教と農業と家族愛、このトライアングルが、坂村真民の詩を形成しているといっても過言ではないでしょう。

 

そして、坂村真民の詩のテーマは、人間愛と人生肯定です。

 

現代詩は不幸にも、人生観が希薄な思わせぶりの概念に出してしまったと私が断定しても、否定する人さえいないほど、日本人は現代詩なるものと無関係になっている気がしています。

 

それでいいのです。現代詩は無視し、本当に生きた言葉で書かれた詩だけを愛すること、この選択肢しか私たちには残されていません。

 

当ブログで坂村真民の以下の詩を取り上げております。

 

坂村真民の詩「七字のうた」

 

坂村真民の詩「あ」