山口誓子の俳句

美しい詩 - 俳句
この記事は約 1 分で読めます ( 約 332 文字 )

山口誓子俳句をご紹介します。

 

突き抜けて天上の紺曼珠沙華

 

空の紺、曼殊沙華の赤の対比が素晴らしいのはもちろんですが、何といっても「突き抜けて」の発句が実に効いていますね。

 

学問のさびしさに堪へ炭をつぐ

 

青春期から最も好きだったのが、この「学問のさびしさに堪へ炭をつぐ」という句です。

 

何かを成し遂げようとすると人は孤独になりますね。真剣に物事を考えても独りぼっちになる。

 

その「さびしさ」を「炭をつぐ」ことで堪えているという感じが、求道的で青年だった私にはたまらなく愛しかったのでしょう。

 

炎天の遠き帆やわがこころの帆

 

若山牧水ふうで良いですね。「こころの帆」という表現が、甘酸っぱくて、若々しくて……こういう軽みのある(ストイック過ぎない)「ふくらみ」のある句も貴重でしょう。

関連記事
  • 栗原貞子の詩「生ましめんかな」

    栗原貞子の詩「生ましめんかな」

    今回は、栗原貞子の「生ましめんかな」という詩をご紹介します。生ましめんかなこわれたビルディングの地下室の夜だった。原子爆弾の負傷者たちはローソク一本ない暗い地下 ...

    2023/03/07

    美しい詩

  • 小林一茶の有名な俳句

    小林一茶の有名な俳句

    小林一茶の代表的な俳句をご紹介しましょう。雪とけて村いっぱいの子どもかな雀の子そこのけそこのけお馬が通る 我と来て遊べや親のない雀 涼風の曲がりくねってきたりけ ...

    2023/02/15

    美しい詩

  • 長澤延子の詩「告白」

    長澤延子の詩「告白」

    長澤延子の「告白」という詩をご紹介します。告白真紅なバラがもえながら散ってゆく日忘却の中から私をみつめる冷ややかな眼差(まなざし)しを知った夏の最中(さなか)が ...

    2022/03/18

    美しい詩

コメント
コメント投稿

コメント

お名前

メールアドレス ※公開されません

サイトアドレス