「屋根裏の女たち」は1956年に公開された日本映画である。
監督は木村恵吾。原作は壺井栄の「屋根裏の記憶」。
私の知っている女優はほとんど出演していないが、すべての女優が熱演していて作品に没入させられた。
映画というより、演劇、芝居を観ているようだ。
人間の命とはこういうものだ。穢れていて、神々しい。天使のようで淫売みたい。弱々しく、雄々しい。
屋根裏でいかがわしい商売をしている女たちの群像劇だが、彼女たちが純粋無垢に感じられてるから不思議だ。
無垢とは、傷だらけの天使、カサブタだらけの仏様のことを指すのではないか。
汚れていない、傷ついていない無垢などありえないと思う。
「屋根裏の女たち」のことを私は隠れ名作と呼んだが、実は紛れもない傑作である。脚本、カメラ、演出、どれも質が高い。
ただ、それがほとんど知られていないので、隠れ名作なのである。
最後の素晴らしい演技を披露してくれている、役者たちをご紹介しよう。
おコウ 川上康子
おきん 望月優子
信子 藤田佳子
桃代 八潮悠子
メリー 岸田今日子
菊江 市川春代
すま子 村田知栄子
はるみ 倉田マユミ
おかめ 浦辺粂子
おしま 賀原夏子
お福 竹里光子
お牧 三島愛子
川井 船越英二
村越 多々良純
吉川 藤原釜足