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カテゴリー:クリント・イーストウッド

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映画「ヒア アフター」~クリント・イーストウッド監督

クリント・イーストウッド

映画「ヒア アフター(原題: Hereafter)。Hereafterは「来世」という意味。

 

他のクリント・イーストウッド監督の映画と作風が異なるので、少々戸惑った。2010年のアメリカ映画。製作総指揮は、スティーヴン・スピルバーグなど4人が担当。

 

幻想的なシーンがしばしば出てくるが、スピルバーグ的な演出と言えるのかもしれない。

 

暗い画面と明るい画面のコントラストが激しく、内面を見つめ過ぎた人間が外界を見つめた時に感じる眩しさ、あるいは眩暈(めまい)の効果を狙っているのだろうか。

 

ストーリーの設定が3つに分かれて進展してゆく。そして最後にその3つが「つながる」という構成である。

 

主演の男女がともに典型的な美男美女ではない点が、良いと思った。主演男優は マット・デイモン、主演女優はセシル・ドゥ・フランスだ。

 

心に深い傷を負った少年を演じた子役が効いていた。

 

通常の映画だと、3つの物語がつながってから、展開があるのだが、つながったところで終わってしまった。

 

癒し、再生という名の扉は開いたのだから、その後は描く必要ない、ということなのだろう。

 

こういう断端な省略法は、よほど自分の手腕に自信がないと、また高い技量がないとできるものではない。

 

さすがは、名匠・クリント・イーストウッド監督である。

 

いつも思うのだが、エンディングの音楽は絶妙だ。ちなみに音楽は、クリント・イーストウッドが担当している。

映画「15時17分、パリ行き」~クリント・イーストウッド監督

クリント・イーストウッド

映画「15時17分、パリ行き」は、クリント・イーストウッド監督作品。

 

実際に起きた事件を映画化するとともに、事件に遭遇した本人である3人を役者として起用したという異色の映画である。

 

 

「15時17分、パリ行き」(The 15:17 to Paris)は、2018年に公開されたアメリカ映画。2015年8月21日に高速鉄道タリス内で発生したタリス銃乱射事件と事件に立ち向かった3人の若者を描く。主演の3人は、実際にタリス銃乱射事件に巻き込まれた3人を本人役として起用している。

 

実際に起きた事件をもとに制作されているので、いつものクリント・イーストウッド監督映画にある、クリント・イーストウッド節は影をひそめているようだ。

 

しかし、少年期に辛い体験をもつ三人の青年が、勇敢な行動をとり、讃えられたというストーリーは、クリント・イーストウッドの人生肯定感を表現するのにはふさわしい。

映画「スペース カウボーイ」~クリント・イーストウッド監督・主演。

クリント・イーストウッド

クリント・イーストウッド監督・主演の映画「スペース カウボーイ」を見た。

 

「スペース カウボーイ」(原題:Space Cowboys)は、2000年にワーナー・ブラザースで製作されたアメリカ映画。クリント・イーストウッドは、主演・監督・製作を担当した。

 

 

面白い。まず、設定が最高だ。映画でも小説でも同様だが、90%は設定で決まる、と改めて感じた。

 

スケールの大きさ、スリルとサスペンス、人物造形と人間模様など、傑作映画に求められる要素がギッシリ詰まっている。

 

テーマは「年寄りたちの逆襲」だ。若い美男美女が活躍するありがちな映画より、イーストウッド監督・主演の映画の「老人映画」の方が面白い。

 

特に今回は、宇宙飛行なので夢があり、人生は終盤になってからが面白い、と勇気づけられる、極めて貴重な映画である。

映画「人生の特等席」~クリント・イーストウッド主演。

クリント・イーストウッド

映画「人生の特等席」を見た。「特等席」という意味は深い。

 

主演は、クリント・イーストウッド。監督はロバート・ロレンツ

 

 

「人生の特等席」(原題: Trouble with the Curve)は、2012年のアメリカ映画。

 

その他の出演者は、エイミー・アダムス、ジャスティン・ティンバーレイク、マシュー・リラード、ジョン・グッドマンなど。

 

クリント・イーストウッド主演の映画では、父と娘の描き方がしばしば肝となる。

 

今回の「人生と特等席」も、メインテーマは「父と娘」の関係だ。

 

人生を描き出すことの達人である、クリント・イーストの真骨頂がここにある。

 

映画の中盤、娘と恋人候補の男が、床を踏み鳴らすダンスを踊るシーンがある。「床を踏み鳴らす」ことは、生きている歓びを表している。このシーンが実に効いている。

 

結局、娘は生き方を変える。仕事を変え、恋人ができ、父と和解する。そして、父親は、残り少ない人生を生き切ろうとする……。

 

父と娘は、まぎれもない「人生の特等席」を選んだのだ。

 

「人生の特等席」は、実に安定感のある、完成したエンターテインメントであり、エンタメを超えた人生ドラマである。