山田洋次監督の「家族」を見ました。
これまで何度か鑑賞しているはずなのに、なぜか、映画のシーンが思い出せません。
そこで、アマゾンプライムで、見てみたのです。
ロードムービー。まさか、それが命がけの旅になるとは……。
九州から北海道までの旅なのですが、何しろ大阪万博があった年(1970年)のこと。
交通の便が今とは比較ならないほど悪いのです。身体的にかなりのダメージを負う旅でした。
山田洋次の得意中の得意である、コメディでもなく、エンターテインメントでもなく、ドキュメンタリーふうに撮られている作品です。
2つの死が、実に効果的に描かれていて、106分間、退屈することもなく見ることができます。
以前にも、このブログで感想を書いたことがあります。
山田洋次監督の最高傑作だと、以前の感想文では書きました。
今回、鑑賞しなおして、最高傑作ではないかもしれないと感じました。
ただ、極めて優れた映画であることは間違いありません。
高度成長期のファミリーレストランの雰囲気とか、時代の空気感がリアルに描き出されていて、やはり、ドキュメンタリーとして大変価値のある映画ですね。
それと、山田洋次という監督のセンスの良さを痛感しました。
やはり、山田洋次は、映画人です。映画を撮るために生まれて来た人だと思います。
演出が実に細かいし、細部へのこだわりが半端ない。映画を愛していないと、これほどこだわりのある映像を生み出せるものではありません。