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2020/10/25
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2020/10/17
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2020/05/25
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2020/05/24
山田洋次監督の映画「男はつらいよ お帰り寅さん」を見た。
泣けて、泣けて、仕方がない。
どうして、涙が出てくるのだろう。
それは、きっと「時」のせいだ。
この映画は、現在と過去が交互に描かれる。同じ役者の若い時と、現在を映し出せるのは、長い歴史を持つ「男はつらいよ」シリーズだからである。
吉岡秀隆と後藤久美子が、いい味を出していた。
吉岡秀隆の演技力は定評があるところだが、後藤久美子は、おばさんと呼ばれる年齢になっても、なお美しく、だがやはり「年を取った」という感じは避けられず、それだけで、胸に何かが込み上げてくる。
この映画のテーマは「時」だ。
「時」は、何と残酷なのだろう。誰もが「若い頃は良かった」と思う。
だが、現実は、過去には帰れないし、「時」は残酷に今も流れ続けている。
この映画「男はつらいよ お帰り寅さん」では、過ぎ去った「愛しき日々」がこれでもかとばかりに映し出される。
私は「寅さんシリーズ」は全作品を見ているが、ひょっとすると、今回のこの「男はつらいよ お帰り寅さん」が、最高傑作ではないか、とさえ思った。
アマゾンのレビューを読んだが、マニアが多いせいか、辛口のコメントが少なくなかった。
後藤久美子の棒読みセリフ、吉岡秀隆の目をむく癖などを批判している人がいたが、それらも、私にとっては「味」だった。
冒頭の桑田佳祐は、客寄せに使ったのだろうか。これだけは違和感を覚えた。まあ、それさえも、許容範囲内だと甘く採点したい。
山田洋次監督の「同胞(はらから)」という映画はこれまでに何回か見ています。
二三年から五六年に一度、無性に見たくなる不思議な映画です。
「同胞(はらから)」は、1975年に松竹が制作、同年10月25日に公開した日本映画。
監督は山田洋次。主演は倍賞千恵子と寺尾聰。
ご存じの通り、寺尾聡は宇野重吉の息子さんですが、親子ともに味のある役者ですね。
実際に起きた話を基にしており、モデルとなった劇団「統一劇場」(ふるさときゃらばん、現代座、希望舞台)が公演シーンを演じています。
モデル地・ロケ地は岩手県岩手郡松尾村(現・八幡平市)。
奇妙な言い方になりますが、数多い日本映画の中で、最もベタな作品を選べと言われたら、私はこの「同胞(はらから)」か「俺たちの交響楽(朝間義隆監督作品)」を選ぶでしょうね。
農村を舞台に繰り広げられる、青春群像劇です。
展開がわかっていても、泣いてしまう。超ベタなのに、映画としての完成度が高いので、何回もの鑑賞にたえられるのです。
というか、山田洋次監督の「映画愛」に打たれてしまい、ついつい、最後まで見入ってしまう、貴重な映画だと言えます。
脇役として登場する渥美清、大滝秀治なども効いていて、脇役の演技を楽しむという映画の贅沢も味わえることも素晴らしい。
映画には洗練度も必要です、なくても困らないのが映画。ベタであっても、映画愛にあふれていれば、人は逃れられようもなく感動してしまう生物なのです。
これからも私は「同胞(はらから)」という映画を見続けるでしょう。
山田洋次監督の「家族」を見ました。
これまで何度か鑑賞しているはずなのに、なぜか、映画のシーンが思い出せません。
そこで、アマゾンプライムで、見てみたのです。
ロードムービー。まさか、それが命がけの旅になるとは……。
九州から北海道までの旅なのですが、何しろ大阪万博があった年(1970年)のこと。
交通の便が今とは比較ならないほど悪いのです。身体的にかなりのダメージを負う旅でした。
山田洋次の得意中の得意である、コメディでもなく、エンターテインメントでもなく、ドキュメンタリーふうに撮られている作品です。
2つの死が、実に効果的に描かれていて、106分間、退屈することもなく見ることができます。
以前にも、このブログで感想を書いたことがあります。
山田洋次監督の最高傑作だと、以前の感想文では書きました。
今回、鑑賞しなおして、最高傑作ではないかもしれないと感じました。
ただ、極めて優れた映画であることは間違いありません。
高度成長期のファミリーレストランの雰囲気とか、時代の空気感がリアルに描き出されていて、やはり、ドキュメンタリーとして大変価値のある映画ですね。
それと、山田洋次という監督のセンスの良さを痛感しました。
やはり、山田洋次は、映画人です。映画を撮るために生まれて来た人だと思います。
演出が実に細かいし、細部へのこだわりが半端ない。映画を愛していないと、これほどこだわりのある映像を生み出せるものではありません。