1981年4月23日に放送された「花嫁の父」は、テレビドラマの傑作である。

 

幸いにもYouTubeで鑑賞できたが、文化遺産として、ぜひともDVD発売か、アマゾンプライムでダウンロードできるようにしていただきたい。

 

昭和という時代は役者の宝庫だった、と私は繰り返し述べているが、昭和の名優としてどうしてもあげたいのが、渥美清である。

 

この「花嫁の父」は、渥美清らしさが滲み出ており、渥美清ファンにはこたえられない。

 

また、ドラマとしての魅力、完成度という点でも、大したものである。

 

娘役の星野知子は、日本の最後の清楚な女性といった感があったが、この「花嫁の父」では、優しく哀し気な花嫁を好演している。

 

渥美清演じる父親と娘は、血のつながりがないのだ。

 

渥美清と星野知子の響演は、神がかり的な感じさえした。

 

脚本は山田洋次が担当。下町に住む庶民を描いたら随一の監督だが、この「花嫁の父」でも、山田洋次節を連発。古き良き、昭和の空気感をこれでもかとばかりに伝えてくれている。

 

繰り返すが、テレビドラマ「花嫁の父」は、傑作中の傑作だ。一人でも多くの人たちに見てもらいたい。