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山田洋次「家族」は、時代の空気感も切ない、ロードムービー。

山田洋次監督の「家族」を見ました。

 

これまで何度か鑑賞しているはずなのに、なぜか、映画のシーンが思い出せません。

 

そこで、アマゾンプライムで、見てみたのです。

 

山田洋次「家族」

 

ロードムービー。まさか、それが命がけの旅になるとは……。

 

九州から北海道までの旅なのですが、何しろ大阪万博があった年(1970年)のこと。

 

交通の便が今とは比較ならないほど悪いのです。身体的にかなりのダメージを負う旅でした。

 

山田洋次の得意中の得意である、コメディでもなく、エンターテインメントでもなく、ドキュメンタリーふうに撮られている作品です。

 

2つの死が、実に効果的に描かれていて、106分間、退屈することもなく見ることができます。

 

以前にも、このブログで感想を書いたことがあります。

 

⇒山田洋次監督の映画「家族」を見た感想。

 

山田洋次監督の最高傑作だと、以前の感想文では書きました。

 

今回、鑑賞しなおして、最高傑作ではないかもしれないと感じました。

 

ただ、極めて優れた映画であることは間違いありません。

 

高度成長期のファミリーレストランの雰囲気とか、時代の空気感がリアルに描き出されていて、やはり、ドキュメンタリーとして大変価値のある映画ですね。

 

それと、山田洋次という監督のセンスの良さを痛感しました。

 

やはり、山田洋次は、映画人です。映画を撮るために生まれて来た人だと思います。

 

演出が実に細かいし、細部へのこだわりが半端ない。映画を愛していないと、これほどこだわりのある映像を生み出せるものではありません。

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少年の詩(うた)~風花未来の詩6

少年の詩(うた)

 

少年よ、空を見上げよ。

 

詠み人の名も知らぬ、

題名もない詩(うた)を歌いあげよ。

 

蒼空のあの彼方の輝きを見よ。

 

遠い昔から語り継がれた、

文字にもなっていない、

風の強い日にだけ、

風に乗ってやってくる、

歓びの詩(うた)を歌いあげよ。

 

少年の真白き横顔に

天空の光よ、

惜しみなく降り注げ。

 

少年の歌う詩(うた)よ、

強風に負けず、

日輪に向かい、

昇天せよ。

約束~淵上毛錢の詩3

今回ご紹介するのは、淵上毛錢ふちがみもうせん)の詩「約束」。

 

さっそく、引用してみますね。

 

約束

 

今日も
夕まで
なにごともなく
生きた
この分では
明日という日は
たしかに
約束されてゐる
いま
私は静かに待つてゐる
静かに
待つている者には
きつと
約束は果たされる

 

淵上毛錢は、誰と、どんな約束をしたのか?

 

それを説明したら、身もふたもないということになってしまうだろう。

 

答えを導き出そうとするわけではないが、「約束」という言葉の周辺に遊星のようにある、キーワードをあげてみよう。

 

今日 夕 待っている 果たされる

 

果たされることは「死」ではないだろう。

 

美なるものの成就、透明になるまで本当の自分になりきること、世界と完全調和すること、などなど……。

 

「果たしたいこと」は、読者が自由に思い描けば良い。

 

優れた表現作品は、ほぼ例外なく、結論を読者に委ねる。「約束」もまた、読者が完成させるべき詩である。

 

●当ブログ「美しい言葉」で取り上げた、淵上毛錢の詩

 

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