「優秀の美」は間違いで「有終の美」が正しい?

ゆうしゅうのびをかざる」を漢字で書きなさいと言われて「有終の美を飾る」と書ける、そう言い切れますか?

 

優秀の美」と、うっかり書いてしまわないでしょうか。

 

やはり、この場合も、言葉の意味を正しく理解しておけば、間違うことはないのです。

 

「有終の美」を大辞泉は、以下のように説明しています。

 

 

ゆうしゅう‐の‐び【有終の美】

 

物事をやりとおし、最後をりっぱにしあげること。結果がりっぱであること。「―を飾る」◆ 「優秀の美」と書くのは誤り。

 

 

問題は「有終」という言葉の由来です。これについて知ると、もう間違えようがなくなります。

 

「有終」は、『詩経』大雅・蕩の「初め有らざるなし 克く終わり有る鮮し」から来ている言葉です。大辞林の解説を引用しましょう。

 

 

初め有らざるなし、克(よ)く終わりあるは鮮(すくな)し

 

〔補説〕 「詩経(大雅、蕩)」による。民は最初は善を慕う心をもっているが、善を全うする人は少ない意から
物事のし始めはみな立派であるが、その終わりを全うするものは少ない。

 

 

ですから「有終の美を飾る」とは「終わりをしっかりしめくくるということ」「最期までやりとげ、立派な成果をあげること」という意味になるのです。

 

「有終」が「初め有らざるなし 克く終わり有る鮮し」から来ていること、そして、それが「物事のし始めはみな立派であるが、その終わりを全うするものは少ない」という意味であることが、少し難しいですよね。

 

でも、一度知ったら、もう二度と間違えないと断言できそうです。

サンマルクカフェのBGMに癒されて

最近、多忙を極めていて、ホッとする時間がなかなかとれません。朝7時半から、近くのサンマルクカフェで執筆を開始するのです。

キーボードを打つ手を止めた時、ふっと聞こえてきたのは、店内に流れる音楽でした。意外にも、BGMジャズ

サンマルクカフェのガチャガチャと落ち着かない雰囲気にジャズは合わない気もしますが、これがなかなかどうして、癒されます。

思うに、BGMにジャズを流しているカフェは珍しいのではないでしょうか? 高円寺店も、阿佐ヶ谷店も、なぜか、サンマルクカフェのBGMはジャズなのです。

意外な場所に、意外な癒しがありました。ジャズを聴きながら、キーボードを叩く、これもまたオツなものかもしれませんね。

ほんのわずかの癒しも、今の私にとっては、値千金なのであります。

 

 

映画「ゴースト」は無欲が生んだ傑作エンタテイメント。

以前にも少し紹介したことがある名作映画「ゴースト ニューヨークの幻」について語ってみたいと思います。

 

アメリカでも日本でも大変ヒットした理由とは?

 

ゴースト ニューヨークの幻

 

'90年、 全米で大ヒットしたラブ・ロマンス。

幽霊になってもなお愛する女性を守ろうと奮闘するサムの姿が切ない、 ファンタジックな作品。

 

 

出演は「ダーティ・ダンシング」のパトリック・スウェイジ、 『G.I.ジェーン』のデミ・ムーア、 『天使にラブソングを』のウーピー・ゴールドバーグ他。

DVDには、映像特典としてオリジナル劇場予告編、 メイキング映像『リメンバリング・ザ・マジック』が、 音声特典として監督らによる音声解説が収録されている。

 

セリフ、小道具などが響き合っていて、無駄がなく心地よい。

 

わかりやすく、純粋で、現実を忘れさせてくれるカタルシスがあることに注目したい。

 

エンタテーメントでも、このレベルに達すれば立派なものだ。というか、エンタテーメントという形式自体が、この水準の完成度を求めているのではないだろうか。

 

ファンタジーとラブロマンスの合体ものだが、この映画が丹念な細部の積み重ねで構成されていることを忘れてはならないだろう。だから、ラストの感動的なシーンが臭くならない。このピュアなカタルシスを実現することは容易ではないと思う。

 

DVDの特典映像だと思うが、この映画の制作エピソードが面白かった。この作品ではウーピー・ゴールドバーグがアカデミー助演女優賞を受賞し、作品自体もアカデミー作品賞にノミネートされているが、前評判は決して高くなかったようだ。

 

いわゆる賞を狙うためにキャスティングし、莫大なお金をかけて制作された映画ではない。良質な作品を生み出そうという無欲が生んだ傑作と言えるかもしれない。

 

それが結局は、1991年の最高興行収入映画の一覧で最高10位にランクイン、 現在でも、ロマンス・ファンタジー映画の興行収入では、1位という大成功をおさめていることは特筆に価するのではないだろうか。

 

この作品には理屈はいらない。この映画を見て素直に泣ける、そんな感受性を失いたくないと思う。