以前にも少し紹介したことがある名作映画「ゴースト ニューヨークの幻」について語ってみたいと思います。

 

アメリカでも日本でも大変ヒットした理由とは?

 

ゴースト ニューヨークの幻

 

'90年、 全米で大ヒットしたラブ・ロマンス。

幽霊になってもなお愛する女性を守ろうと奮闘するサムの姿が切ない、 ファンタジックな作品。

 

 

出演は「ダーティ・ダンシング」のパトリック・スウェイジ、 『G.I.ジェーン』のデミ・ムーア、 『天使にラブソングを』のウーピー・ゴールドバーグ他。

DVDには、映像特典としてオリジナル劇場予告編、 メイキング映像『リメンバリング・ザ・マジック』が、 音声特典として監督らによる音声解説が収録されている。

 

セリフ、小道具などが響き合っていて、無駄がなく心地よい。

 

わかりやすく、純粋で、現実を忘れさせてくれるカタルシスがあることに注目したい。

 

エンタテーメントでも、このレベルに達すれば立派なものだ。というか、エンタテーメントという形式自体が、この水準の完成度を求めているのではないだろうか。

 

ファンタジーとラブロマンスの合体ものだが、この映画が丹念な細部の積み重ねで構成されていることを忘れてはならないだろう。だから、ラストの感動的なシーンが臭くならない。このピュアなカタルシスを実現することは容易ではないと思う。

 

DVDの特典映像だと思うが、この映画の制作エピソードが面白かった。この作品ではウーピー・ゴールドバーグがアカデミー助演女優賞を受賞し、作品自体もアカデミー作品賞にノミネートされているが、前評判は決して高くなかったようだ。

 

いわゆる賞を狙うためにキャスティングし、莫大なお金をかけて制作された映画ではない。良質な作品を生み出そうという無欲が生んだ傑作と言えるかもしれない。

 

それが結局は、1991年の最高興行収入映画の一覧で最高10位にランクイン、 現在でも、ロマンス・ファンタジー映画の興行収入では、1位という大成功をおさめていることは特筆に価するのではないだろうか。

 

この作品には理屈はいらない。この映画を見て素直に泣ける、そんな感受性を失いたくないと思う。