「底を尽く」と「底を突く」は、どちらが正しい?

「間違えやすい日本語」シリーズ、久しぶりに行ってみましょう。

 

今回は、蓄えていたものがなくなることを「そこをつく」といいますが、この場合の漢字は「底を尽く」と書くべきか、それとも「底を突く」と書くべきでしょうか。

 

これはけっこう間違えやすいですよね。

 

正解は「底を突く」の方です。

 

「食料が尽きる」「予算が尽きる」「ネタが尽きる」など、なくなることを「尽きる」と書くので、「底をつく」も「底を尽く」と書いてしまいがち。

 

正しいのは「底を突く」なのですが、なぜ「突く」と書くのか、その意味をしっかり理解しておけば間違うことはありませんよ。

 

例えば、米びつに蓄えていたお米が減ってくると、手を入れた時に、指先で底が突けるようになってしまいますよね。ですから、なくなってしまったことを「底を突く」と書くのです。

 

その他の間違いやすい日本語はこちらへ

けしきが あかるくなってきた……八木重吉の詩「母をおもう」より

今回は八木重吉の「母をおもう」というをご紹介します。

 

【動画】朗読)八木重吉の詩「母をおもう」

 

八木重吉の詩は、自分で「八木重吉論」を書いたほど、何度も何度も読みました。

 

実は、八木重吉の詩の魅力を教えてくれたのは、私の親友です。彼は国立大学を卒業して、大手企業に就職した男で、文学とかにはほとんど縁のない、オートバイが好きなスポーツマンでした。

 

そういう体育会系の彼が、ふとしたことから、八木重吉の詩での話になり、「『母をつれて てくてくあるきたくなった』っていうことろが、いいんだよなあ、特に「てくてく」っていう表現が最高だよね」と言ったのを、今でも鮮明に憶えています。

 

その詩は「母をおもう」という詩で、極めて短い作品です。全文を引用してみましょう。 この記事の続きを読む

立原道造の詩「のちのおもひに」

最近、二十代の時に読んだ、日本の近代詩のことがしきりと思われてなりません。深まりゆく季節のせいなのか、それとも他に深い理由でもあるだろうか、と独り首をかしげる私です。

 

そんなわけで、今回は日本の抒情詩の名作をご紹介することにしましょう。

 

日本の抒情詩の中で、もっとも感傷的で、美しいのが、立原道造の「のちのおもひに」だと私は思っています。

 

【動画】(朗読)立原道造「のちのおもひに」

 

さっそく、引用してみましょう。 この記事の続きを読む