映画「アウトロー」、この心地よさは? トム・クルーズ主演だけど…

映画「アウトロー」は、2012年のアメリカ映画。

 

監督と脚本は、クリストファー・マッカリー。主演はトム・クルーズで、主人公のジャック・リーチャーを演じている。

 

 

トム・クルーズが主演の映画の特徴として「心地よさ」がある。

 

これを、いわゆる「安定の面白さ」と呼ぶべきものだろうが、その理由を少しだけ考えてみたい。

 

要するに、トム・クルーズ演じる主人公が、激情的ではない、つまり、感情が入り過ぎないということ。感傷的でもなく、クールすぎることもない。

 

ほどよい、バランスのとれたキャラクター。ただ、格好良さだけは群を抜いている。

 

無駄はそぎ落とされ、合理的かつスピーディーに物語は展開する。

 

ほどよい水分はあるが、決して、ウエットにはならない。

 

だから、見ていてラクだし、「心地よい」のだ。

 

しかし、私としては、もっと単純な設定と展開のサスペンス・アクションを欲する。

 

スタローンの「デイライト」、シュワルツェネッガーの「イレイザー」、ブルース・ウィリスの「ダイ・ハード」が好きだ。

 

もちろん、これらの作品は、トム・クルーズの映画とはジャンルが異なることを充分の承知しているのだが、どうしても、言いたくなってしまうのである。

映画「泥だらけの純情」には、侮れない魅力が詰まっている。

泥だらけの純情」は、1963年に公開された日活映画。

 

泥だらけの純情(1963)

監督 中平康

脚本 馬場当

原作 藤原審爾

 

出演者 浜田光夫

吉永小百合

平田未喜三

小池朝雄

和泉雅子

三井真澄

音楽 黛敏郎

主題歌 吉永小百合「泥だらけの純情」

 

典型的な「吉永小百合&浜田光夫の恋愛映画」であると言われればそのとおりである。

 

しかし、この映画には侮れない、良質なエンターテインメント性があると私は言いたい。

 

2022年現在のエンタメ系映画よりは、ずっと質は良いと感じた。

 

時代にも、人にも「純」なるものが息づいていた、だからこういう映画が生まれ、支持されたのだと思う。

 

それにしても、この映画のラストには驚かされた。

 

物語がスタートして、まさか、このラストシーンは予想だにできなかったのである。

 

現実離れした設定。あり得ない展開。そして、度肝をぬかれたクライマックス。

 

これがエンタメだ。ドラマだ。そう言ってしまえばそれまでだが、今の私にとって、この映画は絵空事ではない。

 

年齢など関係なく、境遇など関係なく、ひょっとすると、心中してしまうかもしれない、そんな気持ちが私の内部で、疼いているのである。

 

怖い。だが、この恐怖心こそが、生きているという実感なのかもしれない。

 

私は、これから、どこへ行くのか。まったく、見当もつかない。いや、逆だ。ありありと私は私の最期がイメージできる。また、実際にそうなる気もしている。

 

怖い。だが、もう引き戻れない。前に進むしないのだ。

 

映画「美しき抵抗」は遠く懐かしい風景画にも似て…

映画「美しき抵抗」は1960年に公開された日活作品。

 

マイナー過ぎて、Wikipediaでもデータが確認できない。

 

美しき抵抗

 

配給:日活

公開:1960.12.21

監督:森永健次郎

脚本:原源一

原作:中村八朗「木蓮咲く頃」

共演:香月美奈子、沢阿由美、吉永小百合、北沢彪、高野由美

 

消えてしまった日本の生活風景、心理風景が描かれている。もう二度と戻ることもない、懐かしい心象風景がここにある。