「泥だらけの純情」は、1963年に公開された日活映画。
泥だらけの純情(1963)
監督 中平康
脚本 馬場当
原作 藤原審爾
出演者 浜田光夫
吉永小百合
平田未喜三
小池朝雄
和泉雅子
三井真澄
音楽 黛敏郎
主題歌 吉永小百合「泥だらけの純情」
典型的な「吉永小百合&浜田光夫の恋愛映画」であると言われればそのとおりである。
しかし、この映画には侮れない、良質なエンターテインメント性があると私は言いたい。
2022年現在のエンタメ系映画よりは、ずっと質は良いと感じた。
時代にも、人にも「純」なるものが息づいていた、だからこういう映画が生まれ、支持されたのだと思う。
それにしても、この映画のラストには驚かされた。
物語がスタートして、まさか、このラストシーンは予想だにできなかったのである。
現実離れした設定。あり得ない展開。そして、度肝をぬかれたクライマックス。
これがエンタメだ。ドラマだ。そう言ってしまえばそれまでだが、今の私にとって、この映画は絵空事ではない。
年齢など関係なく、境遇など関係なく、ひょっとすると、心中してしまうかもしれない、そんな気持ちが私の内部で、疼いているのである。
怖い。だが、この恐怖心こそが、生きているという実感なのかもしれない。
私は、これから、どこへ行くのか。まったく、見当もつかない。いや、逆だ。ありありと私は私の最期がイメージできる。また、実際にそうなる気もしている。
怖い。だが、もう引き戻れない。前に進むしないのだ。