一行詩を書いてみました。
渡り廊下に、風が吹く。
これだけです。
昔の小学校や中学校には「渡り廊下」なるものがありました。校舎と校舎をつなぐ廊下です。私が住んでいた浜松は「遠州の空っ風」という言葉があり、風が強いところでもあります。
渡り廊下を渡る時、なぜか、風が強く吹く、そんな記憶が強いのです。
寒さをこらえつつ渡ってゆく冬。ところが、夏は、どんな面持ちで、渡り廊下を渡っていたのか、想い出せません。
ただ、渡り廊下には、いつも風が吹いていた。それだけは確かです。
何も悩みがなかった、あの童心に帰るすべはありません。ただ、あの時吹いていた、風を感じることだけはできます。それだけが、救いだと言えるでしょうか。