シルベスター・スタローン主演の映画「クリフハンガー」を久しぶりに見返しました。
いつもは吹き替え版で見るのですが、今回は字幕版で鑑賞。
何度となく見て来た映画ですが、今回の感動が最も大きいという、極めて特殊な体験をしました。
どうして、この「クリフハンガー」を一年のうち、一回は見たくなるのか、その理由もわかったのです。
「クリフハンガー」(Cliffhanger)は、1993年に公開された、アメリカ・フランス・日本の合作映画。
監督は「ダイ・ハード2」を監督したレニー・ハーリン。製作総指揮は「ランボー」「ターミネーター2」の製作責任者をつとめたマリオ・カサール。
主演のシルヴェスター・スタローンは、脚本も担当しています。
少し前に映画版の「踊る大捜査線」を3作続けて、アマゾンプライムで鑑賞しました。いずれも、かなり楽しめるのですが、何かが足りないと感じながら見ていたのです。
今回、スタローン主演の「クリフハンガー」を見て「踊る大捜査線」には何が足りなくて、「クリフハンガー」のどこが凄いのかに気づきました。
それは、シンプルで、骨太であること。
「クリフハンガー」は、骨格ががっちりしていて、テーマの軸にまったくブレがありません。
物語設定は単純すぎるくらいですが、その単純さゆえに、感動に強さと重みが生まれるのです。
見終わっても、しばらく余韻が消えません。
そして、一年くらい経つと、必ずまた見たくなるのです。
こういう映画は、あるようで、滅多にありません。
以前、スタローン主演の映画「デイライト」について感想を書いてことがあります。
その時に、「デイライト」はスタローン映画の最高傑作であると書きました。
その記事はこちらに⇒映画「デイライト」はスタローンの最高傑作?
「デイライト」と「クリフハンガー」は双子の映画だ、「用心棒」と「椿三十郎」が双子の作品であるように、と直感しました。
「デイライト」「クリフハンガー」「用心棒」「椿三十郎」、この4作品に共通するのは、エンターテイメント作品として完成されており、型ができあがっていて、型だけを見ても力強く美しいのです。
単純で、骨太だからこそ、力強い作品となっています。
小手先のテクニック、こざかしい演出はありません。エンタメの要素を入れすぎるという過ちを犯してもいません。
主題という太い流れ、作品中を強烈に屈曲しながら押し進んでゆくのです。
「デイライト」「クリフハンガー」に共通するのは、孤独な主人公は心に傷を持っていること。
大きな哀しみ、挫折感を胸に抱いているのですが、勇気ある行動によって、孤独とトラウマの壁を打ち破ってくれます。
どちらも甲乙つけがたいのですが、あえてどちからを選ぶとしたら「クリフハンガー」ですね。
理由は、2つあります。
「クリフハンガー」には壮大なスケールがある。そして、スタローンの恋人役のジャニーン・ターナーの透明感が半端ないからです。
ともあれ、この「クリフハンガー」は、これからも何度も見ることになると思っています。