2011年11月6日(日)に東京渋谷にて風花ワークショップを開催しました。

前日の睡眠不足のために終わった後は、疲労困憊の状態でしたが、今夜になって、少し回復してきました。

ワークショップの最後に、川端康成の小説「雪国」の冒頭を例にあげました。さっそく引用してみます。

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。

この書き出しが、なぜ優れているかと言いますと、ワークショップで解説しました2つの効果が活用されているからです。

その効果とは「対比」と「変化」です。

トンネルを抜けると、世界が一変する。この大きな「変化」が、いきなり冒頭で起きているので、読者は小説の世界に没入せざるを得ません。

また「対比」も実に効果的に使われています。夜の黒と雪の白、その対照の鮮やかさが、心の中の光と闇を象徴しているかのようです。

テーマを読者に鮮明に伝えるためには、この「対比」は積極的に使うべきです。

光と影、生と死、愛と憎しみ、絶望と希望、苦悩と歓喜など、両極端な要素を巧みに共存させることで、文章にメリハリが生まれ、テーマが鮮やかに浮かび上がります。

商品説明でも、この対比は応用可能です。

例えばiPad 2について語りたい場合、ライバル商品であるAndroidを、iPodならばWalkmanと対比させるれば、商品の特徴をクッキリと浮かび上がらせることができるでしょう。

芸能・スポーツも同様です。K-POPのKARAについて語りたい時には、少女時代と対比させるとか……サッカー日本代表のサイドバック・長友を語る時には、内田と比較してみるとか……。

この「対比」の手法は、初心者の方でも簡単にできるので、ぜひ活用してみてください。