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風花未来の今日の詩は「しーちゃん」です。

 

しーちゃん

 

しーちゃん

 

なんて懐かしい

呼び名だろう

 

しーちゃんのことを

想い出せない歳月が

どれくらい

つづいてきただろうか

 

しーちゃんの友だちは

森の中の樹木

散る木の葉

木漏れ日

小鳥と栗鼠(りす)

そして 何と言っても

ワクワクする言葉のつらなり

そう それは 詩

しーちゃんは

詩という言葉を知らなかったが

詩を書いているしーちゃんが

しーちゃんの

いちばん好きな友だちだった

 

その少年は

詩ばかり書いているので

「詩いちゃん」と呼ばれ

いつからか

「しーちゃん」となった

 

「詩人」と

誰も呼ばなかったのは

少年と 少年の書く詩が

あまりに 幼すぎたのか

 

「詩人」と呼ぶのは

よそよそしいと感じて

 

詩を書く少年のことを

大人になってほしくない

ずっと 子供のままで

いてほしいと思ったからなのか

 

いやいや

そういうことではなくて

 

誰も しーちゃんの詩を

まともに 読んだことが

なかったからだろう

 

でも しーちゃんの「詩」は

小鳥たちに愛された

しーちゃんの肩にとまり

白いノートに

生み出されてゆく

「詩」らしい

言葉のつながりを

かわいい 小鳥は

愛らしい さえずりで

朗読していた

 

しーちゃんに

もう一度 逢ってみたい

逢って 今度こそは

友だちになりたい

しーちゃんは

まだ 森の中に

あの頃のままで

光をあびている気がする

 

しーちゃん

 

そう 呼び続ければ

逢えるだろうか

 

しーちゃん しーちゃん しーちゃん

 

まさか、しーちゃんをモデルに新しい詩が書けるとは意外でした。

 

森の中で