風花未来の今日の詩は「ガーコ」です。

 

ガーコ

 

ガーコという名で

子どもたちに人気だった

アヒルがいた

 

ガーガーと鳴くので

ガーコと呼ばれたんだと思う

 

わたしの生まれ故郷の

馬込川の堤防に

ガーコのお墓が立てられていた

 

首が長くて

ふつうのアヒルより

大きい

 

その歩き方と

顔の表情に

愛きょうがあった

 

わたしが実際に

ガーコを見たのは

数回くらいだが

お墓にいけられた

花々が美しく

ガーコがどれほど

みんなに愛されたかが

伝わってきたのを

鮮明におぼえている

 

ほのぼのとした時代の

むじゃきな話である