私の好きな言葉に「心眼(しんがん)」があります。
「心眼」という言葉の深さを私に教えてくれた人は、二人います。
デットマール・クラマー、松本育夫です。
松本育夫は、元サッカー日本代表選手で、熱血コーチで知られるサッカー指導者です。
松本育夫に「燃えてみないか、今を!」という著書があり、その中にデットマール・クラマーのことが熱く語られています。
デットマール・クラマーは、日本サッカーの父を呼ばれるドイツのサッカー指導者です。
松本育夫は、サッカー日本代表の時に、クラマーから直接指導を受けています。
クラマーについては、以下の記事をお伝えしていますので、よろしければご覧ください。
クラマーは自分の部屋の壁に、以下の言葉を貼っていたそうです。
ものを見るのは目でなく、心で見ろ
ものを聴くには耳でなく、心で聴け
目それ自体は物を見るだけであり
耳それ自体は物音を聞くだけである
「心で見ろ」とは、要するに、肉眼で見るのではなく、心の眼、即ち「心眼」で見なさいという意味です。
何だ、そんなことか、と思う人もおられるでしょう。
しかし、この「心眼」という言葉には、実に深い意味を含んでいるのです。
「心で見ろ」という教えは、「心で見ないかぎり、大切なものは何も見えてこない。物事の本質は心眼でなければ見ぬけない」という意味を含蓄していると私は思っています。
また、「打算や欲で物事を見ても真実は見えない、心を澄ましてあるがままを見る時にだけ真実は姿をあらわす」という深い意味を「心眼」という言葉は有しているのではないでしょうか。
さらに付け加えるならば、「肉眼で見えるものは大した意味を持たない。肉眼には見えないものを大事にする心こそが人生を豊かにする」という知恵が「心眼」という言葉には光っていると私は信じているのです。
「心眼」への理解を深めていただくために、「目」と「心」との関係は「目は心の窓」という言葉を上のリンク先でご確認ください。