今日ご紹介するのは「青い鳥」。
1997年のテレビドラマですが、本当にこの時期に良い作品が、たくさん出ていますね。
『青い鳥』(あおいとり)は、1997年10月10日から12月19日までTBS系「金曜ドラマ」枠で放送されたテレビドラマ。主演は豊川悦司。(引用元:ウィキペディア)
■みずみずしい役者たち
豊川悦司、夏川結衣が、まだ若くて透明感があります。
それに演技派の佐野史郎が絡むので見ごたえ充分。永作博美、それに鈴木杏(すずきあん)もかなり良いです。
■静かだけれど、激しいドラマ
「人は未来の国からこの世に生れてくるためには、おみやげを持ってこなければいけない」という言葉が第1話に出てきます。
そのおみやげが、その人の宿命となる……そういう伏線でしょうか。
全体に静かなドラマです。しかし、耳を澄ますと、かなり鋭い音で音楽が鳴っていることに気づきます。
登場人物の心と心が触れあい、激しく共鳴しているんです。
実際に劇中にはそういう音楽は流れないけれど、確かに、切ない音をかき鳴らしている、弦の震える様子さえ見えてくる。
そんな神秘的な香りがするドラマです。
「青い鳥」というタイトルが暗示するものとは?
果たして、豊川悦司と夏川結衣に、「未来」はあるのでしょうか。
様々に想像をふくらませながら、このドラマを味わってみてはいかがでしょうか。
■かなたに見える「幸せ」を求めて
どうしてこのドラマにハマってしまったのか、自分で少し考えてみました。やはりテーマは「未来」なんですかね。
ここにいる、今の自分は何なんだろう。
どうして、ここにいるのか。
なぜ、知らない間にカゴの鳥になってしまったのだろう。
自分は確かに、小さなカゴの中で日々を過ごす鳥である。
しかし、その鳥は、「未来」の夢と希望を、必死で探している。
自分では気づかないくらい必死に……。
そういうことを、ドラマを見ながら感じているのだと思います。
これって、人にとって永遠のテーマでもありますよね。
だから、97年の作品なのに、少しも古びることなく、見る側の心に響いてくるのでしょう。
エンタメ精神も旺盛ですが、それと同時に普遍的なテーマを掘り下げている、澄んだ視点が際立っています。
そのためか、むしろ今のドラマよりも、新しいとさえ感じてしまいます。