例えば、次のような一文。

 

うらさびしい雨の日曜日は、何もする気になれず、泣きたいようなやるせない気持ちになってしまう」

 

この「うらさびしい」を「裏さびしい」と書くのは誤りです。「さびしい」が正しいのです。

 

「うら」の意味を知れば、「裏」と間違わないで済みます。

 

「心」には「うら」という読み方があるのですが、これを知ってる人はあまりいません。

ではなぜ、「心」を「うら」と読むのか? 

その理由がなかなか興味深いですよ。

 

目に見える肉体、つまり「おもて(表)」に対し、目に見えない「心」は「うら(裏)」というわけ。

 

「うらさびしい」は、心の奥底の本音はさびしい、心の奥にはさびしい感情がある、という意味が込められているのです。

 

ただし、「うら若い」の「うら」は「若い」と書くのが正しいので注意が必要です。

 

「末」にも「うら」という読み方があり、「梢の葉」という意味があります。そのため、「末若い」とは、出たばかりの梢の葉のようにみずみずしい様子をあらわすのです。

 

とにかく、「裏さびしい」「裏若い」と書くのは間違いなので、ご注意ください。