ウィキペディアには「男たちの旅路」について、以下のような記述がある。

 

『男たちの旅路』(おとこたちのたびじ)は、1976年2月から1982年2月までNHKにて放映された山田太一脚本のテレビドラマ。全13話。

 

全部で13話あるということだが、改めて確認したが、私はすべて視聴していた。

 

一話残らず、全部を風花未来は見終わっていた。

 

で、今夜、鑑賞したのは、第三部の最終話「別離」だ。

メインの登場人物は多くはない。以下の3名を中心に物語は展開する。

 

吉岡晋太郎 - 鶴田浩二

杉本陽平 - 水谷豊(第4部第1話まで出演)

島津悦子 - 桃井かおり(第3部まで出演、第4部第1話に回想シーンで出演)

 

主人公はもちろん鶴田浩二だが、水谷豊桃井かおりがいてこそ、鶴田浩二の渋い味が活きるである。

 

第三部の最終話「別離」に限りらず、すべてが超ど級のドラマでハズレがない。

 

「すごい」、ただ「すごい」の一語に尽きる。

 

ギリギリまで生きている、人間がここにいる。

 

「ドラマとは人と人とが火花を散らすことだ」という言葉があるが、この「男たちの旅路」では、まさに火花を散らすほど、激しく人と人とがぶつかり合う。

 

鶴田浩二という役者が日本にいた、そして鶴田浩二を存分に生かして物の見事に傑作を書いた山田太一がいてくれて、本当に良かったと思う。

 

極端にいえば、この「男たちの旅路」は、鶴田浩二と山田太一のドラマなのだ。

 

以下のセリフは小林正樹監督の映画「いのちぼうにふろう」の中で出てくる。

 

誰だって、とことん、ぎりぎりまで、生きなくっちゃな。

 

私も、ぎりぎりまで、生きたいと思う時がある。

 

おそらくは、一生のうちで何度か、そのチャンスが訪れるのだろう。

 

私にもその機会が近づきつつあるのかもしれない。

 

ぎりぎりまで、生きること、それは死をも同時に引き寄せることになる、そういうこともありうるのだが……。