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書き間違いしやすい(間違えやすい)四字熟語はたくさんあるのですが、中でも「興味津々(きょうみしんしん)」を「興味深々」あるいは「興味森々」と間違えてしまうことが実に多いといわれています。
「私は初めて上京した時、目に映るものすべてに興味津々(きょうみしんしん)だった」というふうに使われます。
では、なぜ「津々」と書けないのか?
理由は3つほど、考えられます。
「興味津々(きょうみしんしん)」と書けない3つの理由
1)「津々」という言葉を日常ではほとんど使わないから。
「津々」は「興味津々」以外、ふだん使うことがないから、つい他の漢字を当てはめてしまう。
2)「シンシン」という形容動詞が多いため。
「津々」のほかに「深々」「森々」「駸々」「振々」などがある。
3)「津々」という言葉の意味を正しく理解していないから。
「津々」の意味を正確に説明できる人はほとんどいないので、「津々」が正しいと学んでも、単なる棒暗記では忘れやすく、間違えてしまう。
いかがでしょうか?
特に3つ目の理由が大きいと思われます。「津々」の意味をしっかり理解すれば、二度と間違うことはないでしょう。
「興味津々」という言葉を大辞林は、以下のように解説しています。
きょうみしんしん 【興味津津】
( トタル ) [文] 形動タリ
興味が尽きないさま。あとからあとから興味がわくさま。 「今後の展開には-たるものがある」
「興味津々」の「津々」は、絶えずあふれ出て尽きないさまを表しています。
もともと「津」には、筆からしずくが垂れるという意味があり、それが転じて、水が染み出すことを表すようになりました。
さらにこの「津」を二つ重ねることで、絶えず湧き出るという意味になったのです。
間違わないために、他の「シンシン」についても、ご説明しましょう。
「深々」は「雪が深々と降る」というふうに使われます。奥深く、ひっそりと静まりかえっている様子を表す言葉。
「森々」は「森々たる木立」のように使われ、木が並んで茂っている、あるいは、高くそびえるさまを表します。それが転じて「森々たる人物」というふうに、人物に威厳や重みが感じられる様を表すようになりました。
「振々」は、物事が盛んなさまを表す言葉。
「駸々」は、馬が走る様子から転じて、物事が速くはかどることを意味します。
これで「興味津々」という四字熟語を、間違えることはありませんよね。
他の間違えやすい四字熟語は「間違いやすい四字熟語の漢字」という記事でも取り上げましたので、ぜひ、お読みください。