「男たちの旅路 第1部 第1話 非常階段」の感想

山田太一が脚本を担当したテレビドラマのことを「山田太一ドラマ」と呼びます。

 

テレビドラマの場合、シナリオラターが脚光を浴びることも稀にありますが、山田太一のようには呼ばれることはなく、それだけ、山田太一は特別な脚本家して評価されていることなのでしょう。

 

さて、山田太一ドラマはほとんど見てきたのですが、その中で最高傑作はどれかと問われると即答はとてもできないと思ってきました。

 

しかし、最近になって、山田太一の最高傑作は「男たちの旅路」、これしかないと断言たくなってきているのです。
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「出る釘は打たれる」は間違いで「出る杭は打たれる」が正しい?

にわかに頭角をあらわしてきた人物が、周囲の人間に圧力をかけられ、活躍の邪魔をされてしまうことを「出る杭は打たれるでるくいはうたれる)」と言います。

 

ところが、時おり、「出る釘は打たれるでるくぎはつたれる)」と喋っているのを耳にすることがあるのですね。

 

「出る杭は打たれる」は慣用句であって「出る釘は打たれる」は明らかな誤用。

 

大辞泉にはこんな記述が載っておりました。

 

 

◆文化庁が発表した平成18年度「国語に関する世論調査」では、本来の言い方である「出る杭は打たれる」を使う人が73.1パーセント、間違った言い方「出る釘は打たれる」を使う人が19.0パーセントという結果が出ている。

 

 

20パーセント近いわけですから、かなりの人が誤用しているのですね。

 

この誤用の理由ですが、おそらくは「杭(くい)」というものを、日常生活でほとんんど目にすることがなくなったせいではないでしょうか。

 

一方、釘はふつうに見かけるわけです。

 

それと、釘も杭も打たれるものですが、釘の頭が出ている映像は鮮明に浮かびますが、杭の頭が飛び出しているイメージが浮かびにくいことも影響しているのかもしれません。

 

これが杭の画像はこちらに→杭の画像

 

う~ん、杭と言っても、実にいろんな種類があるのですね。中には、頭が飛び出して来そうなものもありますね。

灯台の形をした風車の想い出

韓国ドラマの「復活」を見ていて、ドキッとしました。

 

ドラマ中に一枚の絵が出てきます。赤と白の灯台が2本建っている絵です。

 

この絵が、主人公である兄と妹の幼少時代を象徴しているんですが…。

 

実は私にも幼い頃に見た、忘れられない絵画があります。

 

自宅の2階に飾られていた絵。

 

私の家は貧しかったので、高級絵画などは買えなかったと思うので、おそらくは、カレンダーの写真を切り取って、額にはめたんでしょう。

 

それよりも、その絵柄です。

 

高原に大きな風車が立っていて、それは灯台に似た形をしているんです。

 

夜で、雲の間から月が出ていました。

 

まるでその風車は、大きな翼を持った灯台でした。

 

月あかりが、その風車から出ている光に見えたのかもしれません。

 

もちろん、幼い私は、その絵が私の一生を支配してしまうなどとは、想像さえできなかったのです。

 

私のデビュー作「風花心伝」は、実は、この一枚の絵から生まれました。

 

灯台の形をした不思議な風車。

 

寂しい時、泣きたい時に、暖かい仄かな光で、私を照らしてくれる風車です。

 

風花心伝では、風車のことが少しだけ語られています。

 

自分だけで力んでいては苦しいので、風を受けて回る、風車のように涼しげな存在でありたいものだ、そういうことを暗示的に語っているんですね。

 

自分の力には限界があります。

 

でも、自然の力、人の力をもらって、自らの力に換えてゆくなら、そのパワーに限界はないと言えるのです。

 

それを「風車の法則」と呼びたいと思います。

 

この風車の法則が、風花心伝の肝であることは、言うまでもありません。