奇妙な記事タイトルになってしまいました。

NHKのBS放送で「証言ドキュメント 日本サッカーの50年」という特番が放送されたのは、2010~2011年です。私は再放送を録画し、今もときどき見ています。

1回~5回、すべて良いのですが、第1回の「第1夜 世界との出会い(クラマーコーチの招聘~メキシコ五輪での銅メダル獲得まで)」は傑作です。

サッカーを長く愛し続けている人で、クラマーさんを知らない人はいないでしょう。そのクラマーさんの語りが素晴らしい。日本サッカー協会は、東京オリンピックに向けて、日本代表の強化のために、デットマール・クラマーさんをドイツから招へいします。そして、クラマーさんが、コーチとして選んだのが、長沼健と岡野俊一郎です。

クラマーさんは、当時30歳そこそこの長沼健と岡野俊一郎について、以下のように語っています。

二人は実によくヨーロッパサッカーについて勉強していました。そして、いつもサッカーといっしょでした。まるで、サッカーを飲んだり、食べたりしているようでした。

この言葉を聞いた時、私は思わず独りでうなりました。クラマーさんは数々の名言を伝えてくれたけれども、また一つ、素晴らしい言葉を聞かせてくれた、そう口の中でつぶやいていたのです。

飲んだり、食べたりしているようだったということは、よほど好きでないとありえませんよね。ただの義務感や仕事では、頑張るだけであって、飲んだり、食べたりまではできません。

ただ、その後に、今の自分に、食べ物と同じように、飲んだり食べたりするみたいに、好きなことはあるだろうか、夢中になっていることはあるだろうか、と自問自答してしまったのです。

東京に出て行った年、私はサッカーライターになるために、サッカーに夢中になっていました。その前は、写真撮影に熱中したことがありました。

思えば、私は熱しやすく冷めやすい典型的な性格のようです。性格的に、毎日コツコツ継続するのは苦手です。我武者羅に、無我夢中で、全力疾走し、ぶっ倒れるのが、私には一番合っている気もします。

ただ、最近は、有り余るほどのパワーはないので、そろそろ自然体で食物以外で「食べたり、飲んだりできるほど好きなこと」を楽しみたいと思うのです。

プロのブロガーを目指している人へ……ブログを毎日、飲んだり、食べたりしていますか?