映画「四つの恋の物語」は、1965年という日本の高度成長期に公開された、いわゆる「日活の青春映画」ということになっている。

 

 

吉永・芦川・和泉・十朱の日活4女優が4姉妹を演じる豪華青春超大作」と、NHKスクエアでも紹介されているくらいだ。

 

しかし、本当にそうだろうか?

 

単なる青春映画を超えた「何か」を私は感じるのである。

 

監督に注目していただきたい。私のブログでも以下の2作を取り上げている、西河克己監督である。

 

生きとし生けるもの(1955年)

 

しあわせはどこに(1956年)

 

以上の2作はいずれも、文芸作品の趣きさえ感じ取れる。

 

「四つの恋の物語」も、心理描写が細やかなで、青春映画というより、群像心理劇と私は呼びたい。

 

本来ならば、吉永小百合が主演と言いたいところだが、芦川いづみ十朱幸代の方に、私は感情移入できた。

 

和泉雅子は完全な脇役あつかいだが、欠かせない存在となっていることは書き添えておきたい。