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ポール・ヴェルレーヌの詩「落葉(秋の歌)」

今回は、ポール・ヴェルレーヌの「落葉」という詩をご紹介します。

 

翻訳者によってタイトルが異なり、「落葉」の他に「秋の歌」と「秋の唄」があります。

 

落葉(らくえふ)

(上田敏訳)

 

秋の日の

ヸオロンの

ためいきの

身にしみて

ひたぶるに

うら悲し。

 

鐘のおとに

胸ふたぎ

色かへて

涙ぐむ

過ぎし日の

おもひでや。

 

げにわれは

うらぶれて

こゝかしこ

さだめなく

とび散らふ

落葉(おちば)かな。

 

秋の歌

(堀口大學訳)

 

秋風の

ヴィオロンの

節(ふし)ながき啜泣(すすりなき)

もの憂き哀しみに

わが魂を

痛ましむ。

 

時の鐘

鳴りも出づれば

せつなくも胸せまり

思ひぞ出づる

来(こ)し方に

涙は湧く。

 

落葉ならね

身をば遣(や)る

われも、

かなたこなた

吹きまくれ

逆風(さかかぜ)よ。

 

秋の唄

(金子光晴訳)

 

秋のヴィオロンが

いつまでも

すすりあげてる

身のおきどころのない

さびしい僕には、

ひしひしこたえるよ。

 

鐘が鳴っている

息も止まる程はっとして、

顔蒼ざめて、

僕は、おもいだす

むかしの日のこと。

すると止途(とめど)もない涙だ。

 

つらい風が

僕をさらって、

落葉を追っかけるように、

あっちへ、

こっちへ、

翻弄するがままなのだ。

 

秋の歌

(窪田般彌訳)

 

秋風の

ヴァイオリンの

ながいすすり泣き

単調な

もの悲しさで、

わたしの心を傷つける。

 

時の鐘鳴りひびけば

息つまり

青ざめながら

すぎた日々を

思い出す

そして、眼には涙。

 

いじわるな

風に吹かれて

わたしは飛び舞う

あちらこちらに

枯れはてた

落葉のように。

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映画「嘘八百」は、中井貴一と佐々木蔵之介の演技が秀逸。

映画「嘘八百」の登場人物は少なくない。しかし、ほぼ中井貴一佐々木蔵之介の二人芝居に見えた。

 

それほど、中井貴一と佐々木蔵之介の演技は際立っていた。

 

「嘘八百」(うそはっぴゃく)は、2018年に公開された日本の映画。監督は武正晴、主演は中井貴一と佐々木蔵之介。

 

これは映画というより、演劇である。空間が限定されていて、その空間に人が出は入りし、セリフ回しが命の構成になっているからだ。

 

また、その演劇的な構成が実に効いている映画となっている。

 

それも、中井貴一と佐々木蔵之介という芸達者がいるから、視聴者を堪能させらるのだ。

 

演技力のある役者の演技を中心に構成する映画、これは王道であろう。

 

演技の上手さでもう一人際立っていた役者がいた。それは近藤正臣である。

 

ところで、この映画のテーマである「嘘」だが、視聴者を笑わせるために、嘘を連発させ、ラストにも、どんでん返し的な嘘を用意している。

 

ただ、決定的に、視聴者が「アッと思う」嘘がなかった気がする。人生の機微に触れる嘘が出てこないからである。

 

嘘は人生にとって重要だ。一つの嘘によって人生が決定されることがある。

 

喜劇だからこそ、ドキッとする嘘を人生からの必然として、また運命として用意する必要があったのではないだろうか。

笹田雪絵ちゃんの詩「ありがとう」と「誕生日」

今回は笹田雪絵ちゃんという少女の詩をご紹介しましょう。

 

 山元加津子さんが、講演会で朗読されるのが、笹田雪絵ちゃんの詩です。山元加津子さんと雪絵ちゃんは深い心の絆で結ばれていました。

 

【動画】(朗読)笹田雪絵の詩「ありがとう」

 

さっそく、引用してみますね。

 

ありがとう

 

この目が物をうつさなくなったら目に、

そしてこの足が動かなくなったら、足に

「ありがとう」って言おうって決めているの。

 

今までみえにくい目が一生懸命見よう、見ようとしてくれて、

私を喜ばせてくれたんだもん。

いっぱいいろんな物素敵な物見せてくれた。

夜の道も暗いのにがんばってくれた。

 

足もそう。私のために信じられないほど歩いてくれた。

一緒にいっぱいいろんなところへ行った。

私を一日でも長く、喜ばせようとして

目も足もがんばってくれた。

 

なのに、見えなくなったり、歩けなくなったとき

「なんでよー」なんて言ってはあんまりだと思う。

今まで弱い弱い目、足がどれだけ私を強く強くしてくれたか。

だからちゃんと「ありがとう」って言うの。

 

大好きな目、足だからこんなに弱いけど大好きだから

「ありがとう。もういいよ。休もうね」って言ってあげるの。

多分誰よりもうーんと疲れていると思うので…。

 

笹田雪絵ちゃんの「ありがとう」の朗読はこちらに

 

雪絵ちゃんは、MS(多発性硬化症)という難病にかかっていましたが、その難病さえも丸ごと愛して、生きぬいた少女です。

 

「人生肯定」と口にするのは簡単ですが、とことん、すべてを受けいれ、丸ごと愛して生きられる人が、この世にどれだけいるでしょうか。 この記事の続きを読む