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「涼しげなまなざし」という美しい日本語は死語となる?

美しい言葉」「美しい日本語」について語ろうとする時、いつも思うのは、言葉は時代とともに変わる、そして、人とともに変わることです。

 

言葉は人間が生み出し、人間が使うもの。人と切り離して、言葉は語れないのです。

 

死語」とは、人の生活や価値観が変わりすぎて、使われなくなった言葉のこと。

 

死語となる危機に瀕している日本語に「涼しげなまなざし」があります。

 

「まなざし」を漢字で書けば「眼差し」となりますが、「眼差し」と「まなざし」と読めない人もいるかもしれません。

 

検索エンジンで「涼しげなまなざし」で調べると、「もしかして: 涼しげな眼差し」と出ました。ということは、漢字まじりの「涼しげな眼差し」の方が一般的なのでしょうかね。

 

でも、ここでは「涼しげなまなざし」と表記することにします。

 

それはともかく、「涼しげ」と「まなざし」は使われていますが、「涼しげなまなざし」という言葉は、ほとんど聞かれなくなっていることが気がかりです。

 

「涼しげなまなざし」と表現するから、美しい表現として際立つと感じるのは私だけでしょうか。

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イッセー尾形が主演した映画「先生と迷い猫」を見た感想。

この映画、いいです。最近見た映画の中で特に良かった。素直にオススメできます。

 

映画「先生と迷い猫」は、木附千晶(きづちちあき)が書いたノンフィクション「迷子のミーちゃん 地域猫と商店街再生の物語」を原案に制作され、 2015年10月10日に劇場公開されました。

 

かなり新しい映画ですね。新しい邦画にはあまり期待していなかったのですが、最近、新しめの映画をアマゾンプライムで見ていて、レベルが上がってきたと感じています。

 

もちろん、面白そうな作品しか見ていないわけですが、中でも、この「先生と迷い猫」は、断トツの水準に達していると驚きました。

 

では、どうして、私はこの「先生と迷い猫」に、これほどまで心を揺り動かされたのでしょうか。 この記事の続きを読む

坂村真民の詩「七字のうた」全文とレビュー

坂村真民(さかむらしんみん。1909年1月6日 - 2006年12月11日))という詩人をご存知でしょうか。風花塾に参加されている方から紹介されて知りました。

 

私は「言葉の底力」という言葉をしばしば使っています。

 

坂村真民さんの詩には、まさに「言葉の底力」を感じました。

 

一つだけ、作品をご紹介しましょう。「七字のうた」というタイトルの詩です。

 

【動画】(朗読)坂村真民「七字のうた」

 

 

七字のうた

 

よわねをはくな くよくよするな なきごというな うしろをむくな

ひとつをねがい ひとつをしとげ はなをさかせよ よいみをむすべ

すずめはすずめ やなぎはやなぎ まつにまつかぜ ばらにばらのか

 

 

坂村真民の「七字のうた」の音声動画による解説はこちら

 

坂村真民の詩「七字のうた」の朗読はこちらに

 

坂村真民さんは、2006年に亡くなっています。良い詩を書く人は、ほとんど例外なく、現代詩という分類からはずれています。坂村さんも、また、そうでした。

 

言葉による表現力と一口に言いますが、さまざまなスタイルがあります。谷崎潤一郎のような巧みな比喩を駆使した豪華絢爛たる文体がある一方で、ぜい肉を極限までそぎおとしたようなシンプルな文体もあるのですね。

 

坂村真民さんの詩学は、後者に属します。装飾語はまったく使われいませんが、イメージは実に豊かです。

 

技巧を意識すると、どうしても、詩が人工的になり、「生きること」の本質から離れてしまう……そのことを、坂村さんは怖れたのではないでしょうか。

 

というか、そうした邪まな欲はきれいさっぱり捨ててしまった人でなければ書けない、生の原形としての言葉がこの詩集には輝いています。

 

日本語で書かれた貴重な「美しい言葉」として、永遠に語り継がれてほしいものです。

 

アマゾンでこの「念ずれば花ひらく」を探しました、レビューが1つもついていないことがないようにと祈りつつ。

 

レビューは7つ付いていました。すべてが、最高評価でした。やはり、本物は本物として認められるのですね。