風花未来の今日の詩は「ついてゆけない」です。

 

ついてゆけない

 

ついてゆけない

自分自身の変化のはやさに

 

これでは

人生の設計図をかいても

数日で使いものに

ならなくなってしまう

 

身体も

心も

毎日 めまぐるしく

変わってゆく

 

体の回復がはやく

自覚症状に

大きな変化がでるのは

良いことだろう

 

しかし 心は

 

自分の心の変化に

自分でついてゆけないとは

どういうことか

 

移り気とか

浮気とか

気まぐれとか

 

そういうことではない

 

私の中で

得たいの知れないものが

静かに

音ひとつ立てずに

動いている

 

動いているというより

走っている

 

走っているだけでなく

目にもとまらぬ速度で

疾走しているのだ

 

あまりに はやいので

眼には見えないし

音もしないので

何も起きていないようだけど

 

確かに

わたしの中で

不可思議なものが

わたし自身が

ついてゆけないくらい

はやく

変化している

 

自分自身の変化に

自分が

ついてゆけなくて

 

ぼうぜんと

ありきたりな

日常風景を

ほうけて

眺めるしかない

わたしが

ここにいる