地震の多い日本に住んでいると、常に「大地震」と隣り合わせの日々を送らなければなりません。

 

ところで、この場合の「大地震」は「おおじしん」と読むべきか、それとも「だいじしん」と読むべきか? あなたは正確に答えられますか。

 

まずは、以下のルールを知っておいてください。

 

 

接頭語「大」のつく言葉は、原則として「大」のあとに漢語(音読み)がくると「だい」、「和語」(訓読み)がくると「おお」です。

 

「だい」と読む言葉

 

大英断 大音声 大草原 大打撃 大接戦 大洪水など

 

「おお」と読む言葉

 

大金持ち 大酒飲み 大入袋 大通り 大売り出しなど

 

 

しかし、「大地震」の場合は例外的に「おおじしん」と慣用的に読まれてきました。

このほか、次のことばも「大」のあとに漢語(音読み)がきていますが、慣用的に「おお」と読むことになっています。

 

 

慣用的に「おお」と読む言葉

 

「大地震」「大火事」「大御所」「大道具」「大所帯」「大騒動」など

 

 

しかし、厳密にいいますと、「おおじしん」と読むべき時と、「だいじしん」と読むべき時とがあるのです。「大地震」は実は、使う時の意味によって読み方を変えなければなりません。

 

小学館の「新選国語大辞典八版」にか「大地震」について以下の記述があります。

 

「おおじしん」と読む場合は「広い地域にわたって、大きな災害をもたらす、ゆれの大きな地震」という意味であり、「だいじしん」と読む場合には「マグニチュード7以上の大規模な地震」という意味で使われるのです。

 

例えば「ゴールデンウィーク中に名古屋市を襲った大地震」の場合は「おおじしん」と読み、「昨日、北九州で起きた大地震はマグニチュード6.9でした」という場合には「だいじしん」と読むのです。

 

これはPHP文庫「間違いやすい日本語の本」に載っている説。

 

最近では、意味にかかわらず「だいじしん」と読む人が増えている傾向が、NHKが行った「ことばのゆれ」全国調査によって示されています。

 

この調査は平成7年(1995年)11月に行われており、「大地震」を8割近く(77.6%)の人が 「だいじしん」といっているという結果が出ていました。