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中野重治の詩「歌」

中野重治の詩に対する姿勢をよくあらわしたがあります。それが「」です。

 

 

 

お前は歌ふな

お前は赤まゝの花やとんぼの羽根を歌ふな

風のさゝやきや女の髪の毛の匂ひを歌ふな

すべてのひよわなもの

すべてのうそうそとしたもの

すべての物憂げなものを撥(はじ)き去れ

すべての風情を擯斥(ひんせき)せよ

もつぱら正直のところを

腹の足しになるところを

胸先を突き上げて来るぎりぎりのところを歌へ

たゝかれることによつて弾ねかへる歌を

恥辱の底から勇気をくみ来る歌を

それらの歌々を

咽喉(のど)をふくらまして厳しい韻律に歌ひ上げよ

それらの歌々を

行く行く人々の胸廓にたゝきこめ

 

「擯斥(ひんせき)」は「しりぞけること。のけものにすること。排斥」の意。

 

以前、中野重治の詩「機関車」を紹介したことがあります。

 

⇒中野重治の詩「機関車」

 

「機関車」は実に力強く、読み終わった後に体が熱くなるかのような充実感を覚える作品でした。

 

今回ご紹介した「歌」のテーマは「機関車」と同じではないかと思われます。

 

人間の生命エネルギーと勇気、闘う姿勢を鼓舞する。

 

「歌」は、まぎれもない詩ですが、同時に、中野重治独自の「詩論」だとも言えます。

 

明治維新から始まった日本近代詩の流れから、中野重治は大きく逸脱していることは明らかです。

 

良い意味でのアウトサイダーであることは間違いありませんが、プロレタリア文学として中野重治を分類することで、彼の業績を規定したくはありません。

 

中野重治の詩が追求したテーマは、人が人であるために、人が人らしくあるために、どうしても必要な命題である断言すべきです。

 

生命肯定を高らかに歌い上げる詩人は、古今東西を見渡しても、そうそういるわけではあありません。

 

現代文明に傷つけられながらも魂の無垢は保ち続け、原始的な命の炎を歌う詩人こそ、現代に必要なのではないでしょうか。

 

「機関車」と「歌」は、中野重治のメインテーマを象徴する作品。この中野重治の切り開いた道を、継承してさらに豊かな実を結ばせた詩人、真の後継者は、まだ出現していません。

高村光太郎の詩「同棲同類」~智恵子抄より

今回は高村光太郎の「同棲同類」という詩をご紹介しましょう。

 

同棲同類

 

――私は口をむすんで粘土をいぢる。

――智恵子はトンカラ機(はた)を織る。

――鼠は床にこぼれた南京(ナンキン)豆を取りに来る。

――それを雀が横取りする。

――カマキリは物干し綱に鎌を研ぐ。

――蠅とり蜘蛛(ぐも)は三段飛。

――かけた手拭はひとりでじやれる。

――郵便物ががちやりと落ちる。

――時計はひるね。

――鉄瓶(てつびん)もひるね。

――芙蓉(ふよう)の葉は舌を垂らす。

――づしんと小さな地震。

油蝉を伴奏にして

この一群の同棲同類の頭の上から

子午線上の大火団がまつさかさまにがつと照らす。

この「同棲同類」が傑作である理由を語るのは、容易ではない。

 

いつか、語れる日が来るのではないだろうか。慌ただしい日常の時間から、私が解放された時に……。 この記事の続きを読む

首のリンパ腺が腫れて痛いので、病院に行ったのですが…

去年、風疹にかかってひどい目にあいました。

 

まあ、意外と簡単に治ったのですが、とにかく怖かった。胸のあたりから、蕁麻疹のようなものが広がってゆき、その湿疹を見ただけで、これはとんでもないことになったと…

 

病院に行き、検査を受けて、後日、風疹と知り、自宅で寝ているしかないということになりました。

 

風疹に効く薬はないので、自分の力で治すしかありません。

 

自然治癒力、免疫力に期待するしかない。

 

おかげさまで、それほど長引くことなる治りました。

 

しかし、今度ばかりは、ヤバイかもしれないと感じているのです。

 

の付け根が腫れている。いわゆるリンパ腺腫れているんですね。

 

触ると、しこりがあり、痛い。

 

ネットで調べたところ、重篤なケースもある、というか多いようです。

 

明日、超音波検査を受けます。

 

この時期に、入院、手術になると辛い。いや、それで治ればいいけれど、命も危なくなる、そんな嫌な予感もしているのです。

 

案ずるより産むがやすしという言葉があります。

 

ここは、覚悟を決め、徹底的に治したい、というか、それしかないですね。