カテゴリー:高村光太郎
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高村光太郎(たかむらこうたろう)の詩ぼろぼろな駝鳥」をご存知の方の多くは、教科書になっていたことに起因するのではないでしょうか。

実は、私もそうです。

現在、教科書問題がしばしば話題にのぼりますが、多くの場合、歴史についてですよね。

私個人としては、教科書に載っていた文学作品には満足しています。一生、愛で続けられる名作を教科書によって知ることができたから。

一生、愛で続けられる名作、その一つが高村光太郎の詩「ぼろぼろな駝鳥」なのです。 この記事の続きを読む

少し前、二十代の人たちと話す機会があったのですが、高村光太郎という名前すら知らない人が多かったことに驚きました。

名前は聞いたことがあるけれども、どういう人なのかは知らない人がほとんとで、高村光太郎のをこよなく愛しているなどという人は一人もいなかったのです。

哀しいことですね。たぶん、生まれてから、周囲に詩を愛好している人がいなかったからでしょう。

私としては、高村光太郎の「智恵子抄」という詩集に収められている「あどけない話」は、忘れ去られていいはずはなく、日本人の共有財産として永久に語り続てゆくべきだと思っているのです。 この記事の続きを読む

私は今、新しい「自分探しの旅」に出かけたところなのだ、そんな気がしています。

矢継ぎ早に5冊ほど本をネットで注文しました。

高村光太郎に関する本ばかりです。1冊以外はすべて絶版になっていたので、ネットの古本屋で注文しました。

高村光太郎の著書を読むことによって、私は「私の原点」に帰ろうとしているのかもしれません。「失われた時間」「置き忘れてきた大切なもの」を取り戻そうとしていると言ったほうが良いでしょうか。

それを「自分探しの旅」と、少し感傷的な表現をあえてしたいのも今の心境を素直に表している気がします。

なぜ高村光太郎なのかと申しますと、それは私が青春期に目指した3つのことをすべて成し遂げた人だと感じているからです。

私が青春期に目指した3つのこととは、以下のとおり。

1)彫刻家になること。

2)詩を書きつづけること。

3)愛に生きること。

私は以上の3つのことにすべて挫折してしまいました。違った方向に舵を切ってしまったというか、流されてしまったと言うべきか……。

高村光太郎は彫刻家であり、詩人でした。そして「智恵子抄」で有名なように妻・智恵子との愛を貫いた人でもありました。

今になって、また高村光太郎のように生きたい、などと大それたことは申しません。

ただ、読み返すうちに、自分の体の中の細胞が音たててざわめき始めるのを感じるので、もうどうすることもなく、高村光太郎の書いた言葉をむさぼるように読んでいる次第です。

青春期にも読んだことがなかった「定本 高村光太郎全詩集」も注文しました。

定本高村光太郎全詩集 (1982年)

さすがに、これから彫刻家にはなれませんが、詩を書くこと、愛に生きることはできるでしょう。

高村光太郎の最大の魅力は「愚直な人」であったこと。私は今こそ愚直に「自分らしく生きる道」をまっすぐに歩いてゆこうと心に決めました。

最近、詩について語ることが増えています。その理由は「言葉に目覚めてほしい」からです。

言葉に目覚めないかぎり、言葉による自在な表現は不可能です。したがって、豊かな表現をするには、詩を読むことで「言葉に目覚める」ことから始めるべきだと思うようになりました。

ここでこんな声が聞こえてきそうです。

詩といわれても、どの詩人のどんな詩集を読んだらいいのか?

自分の可能性を伸ばしつつ、自分の言葉によって豊かな表現を目指す人たちに私がオススメしたいのは「高村光太郎詩集」です。

智恵子抄」から入っても良いのですが、この詩集だけですと、高村光太郎という人の一面しか見えてきません。「智恵子抄」以外にも優れた詩がたくさんあるので、それらも知っていただきたいのです。

私が高村光太郎の詩を推奨する理由は、高村光太郎は常に前向きに生きた人であり、人生肯定を貫いた愛の詩人だからです。

高村光太郎は、決して天才でも、完璧な人間でもありません。むしろ、弱さの塊と呼んで良いくらいの人です。ひたむきに人間らしい生き方を求め続けた、その愚直さにおいて非凡だった人だと私は評価しています。

極めて人間くさい、ロマンチストである高村光太郎の詩に親しむと、自分の言葉で語ることの本質を身近に感じることができるでしょう。

今年から始める寺子屋でも、高村光太郎の詩の詩については語りたいと思っています。

最後に高村光太郎らしい詩をひとつ、ご紹介しましょう。「冬が来る」という作品です。詩集「道程」に収録されております。

冬が来る

冬が来る
寒い、鋭い、強い、透明な冬が来る

ほら、又ろろろんとひびいた
連発銃の音
泣いても泣いても張がある
つめたい夜明けの霜のこころ

不思議な生をつくづくと考へれば
ふと角兵衛が逆立ちをする

私達の愛を愛といつてしまふのは止さう
も少し修道的で、も少し自由だ

冬が来る、冬が来る
魂をとどろかして、あの強い、鋭い、力の権化の冬が来る

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