ヒッチコック監督の「ダイヤルMを廻せ」を久しぶりに見ました。今回で2回目です。

 

最初に見た時の衝撃があまりにも大きかったので、その後は、同じテンションになれる時を待とうを思い、これまで鑑賞できませんでした。

 

何年ぶりかで見て、素晴らしい映画だと再び感心しました。

「ダイヤルMを廻せ」は、1954年に制作されたアメリカ映画。監督はアルフレッド・ヒッチコック。

 

原作はフレデリック・ノットによる同名の舞台劇。

 

ミステリー(謎解き)の要素が強いので、登場人物のセリフ回しが多い映画となっています。

 

ですから、俳優たちのアクションはほとんどありません。徹底的な心理劇となっています。

 

際立つ、グレース・ケリーの美しさ。

 

映画の出だしは、違和感がありました。グレース・ケリーの異様なまでの美しさです。

 

ここまで綺麗な女優を起用しなくてもいいのに、と思うくらい、ヒッチコック映画に登場する女優は美しすぎる。

 

ヒッチコック映画の美しすぎる女優たち

 

「ダイヤルMを廻せ」「裏窓」「泥棒成金」のグレース・ケリー

「鳥」「マーニー」のティッピ・ヘドレン

「白い恐怖」「汚名」のイングリッド・バーグマン

「めまい」のキム・ノヴァク

「断崖」「レベッカ」のジョーン・フォンテイン

 

ヒッチコック映画では、これらの女優が初めて登場したシーンで、言葉を失ってしまい、思考停止におちいってしまいそうになります。

 

今回の「ダイヤルMを廻せ」の場合も、物語が進展してゆき、ストーリーに没入して初めて、グレース・ケリーの美しさから解放されました。

 

グレース・ケリーの表情の激しい変化も、この映画の魅力だと言えるでしょう。

 

レイ・ミランドの憎々しいまでのクールな演技が素晴らしい。

 

しかし、実はこの「ダイヤルMを廻せ」の面白さは、グレース・ケリーの夫役を演じた、レイ・ミランドの熟達した演技力になるのです。

 

冷静沈着で抜け目がなく、悪賢い夫を、憎々しいまでにクールに演じていました。

 

無防備なグレース・ケリーと狡猾なレイ・ミランド、その見事なコントラストが、この映画の切れ味の良さにつながっているのですね。

 

登場人物は5人のみ、舞台も夫婦宅に限定した室内劇。

 

この映画「ダイヤルMを廻せ」の特徴として忘れてはならないのは、登場人物の少なさです。

 

5人しか出てきません。

 

物語の舞台も、夫婦の自宅のみ。極端に場所を限定した室内劇となっています。

 

人物と舞台が究極まで限定されているので、刑事がどのように事件の謎を解いてゆくのかに集中できるのですね。