武者小路実篤の詩「進め、進め」

武者小路実篤の「進め、進め」というをご紹介します。

 

【動画】武者小路実篤の詩「進め、進め」の朗読と鑑賞

 

進め、進め

 

自分達は後悔なんかしていられない、

したいことが多すぎる

進め、進め。

 

麦が出来そこなった!

それもいゝだろう

あとの為になる

進め、進め。

 

家が焼けた!

それもいゝだろう

新しい家がたつ

進め、進め。

 

人がぬけました

仕方がない、

更にいゝ人が入るだろう、

進め、進め。

 

何をしたらいゝのかわからない!

しなければならないことを

片っぱしからしろ、忠実に。

進め、進め!

 

こんな歩き方でいゝのか。

いゝのだ。

一歩でも一寸でも、信じる道を

進め、進め。

 

神がよしと見た道は

まちがいのない道だ

進め、進め。

 

兄弟姉妹の

幸福を祈って

進め、進め。

 

つい足をすべらした、

かまわない

過ちを再びするな

進め、進め。

 

後悔なんかしていられない、

したいことが多すぎる

進め、進め。

 

武者小路実篤の詩を紹介するのは、当ブログでは初めてです。

 

いわゆる「白樺派」の「人生肯定」の作家として知られる、武者小路実篤らしい詩だと思いますね。

 

楽観的、ポジティブ、能天気、超前向き、明るい、めげない、肯定的、人生の応援歌……などなどの言葉が、次々に浮かんできました。

 

思えば、今の世の中、暗いことが多すぎます。武者小路実篤の詩から連想した言葉の反対語ばかりが浮かんでてきても仕方がない社会状況だと言えるでしょう。

 

最近、強く感じるのですが、良い意味で「おバカ」にならないと、この時代は生きられませんね。

 

ドストエフスキーが「白痴」という言葉に込めた、哲学的な深い意味まで精神的に到達しなくても、良い意味で「阿呆」になることは必要なのではないでしょうか。

 

おバカ、阿呆、白痴、イノセント、馬鹿正直……こうした言葉を尊重し、このようなキャラクターの人物を大事にする社会になるといいですね。

おすすめの感傷的な抒情詩10選

映画「我が道を往く」は、古き良き時代の心温まる傑作

我が道を往く」(わがみちをゆく、Going My Way)は、1944年製作のアメリカ映画。第17回アカデミー賞では作品賞をはじめ、その年の最多となる7部門を獲得しました。

 

映画「我が道を往く」はこちらで視聴可能です

 

主演はビング・クロスビー。劇中で名曲の数々を、ビング・クロスビーが歌うシーンは、空気感が変るから不思議です。

 

監督 レオ・マッケリー
脚本 フランク・バトラー
フランク・キャヴェット
原案 レオ・マッケリー
製作 レオ・マッケリー
出演者 ビング・クロスビー
バリー・フィッツジェラルド

 

私の両親の年代では「Going My Wayでいいんじゃないの」とかいうふうに、日常生活ではしばしば使われていました。その「Going My Way」はこの映画「我が道を往く」の中で歌われる楽曲から来ていることをご存じでしょうか。

 

作られたのが1944年、終戦が1945年ですから、暗い時代に希望を与える作品と思えば、納得できるでしょう。

 

とにかく、この時代のアメリカ映画には、心温まる良い映画がたくさん制作されたのですね。

 

ストレート展開はあり得ないが安直に起きる、いわゆるご都合主義的なものです。しかし、そういうことも「お約束」と割り切って、ハートウォーミングな物語に浸ってみれば、疲れた心のリハビリになるのではないでしょうか。