風花(かざはな)を「美しい日本語」として選んだ理由。

新しいカテゴリを設けました。タイトルは「美しい日本語」です。

 

死にかけた経験が「言葉」という原点に帰してくれました。

 

インターネットで文章表現することを職業としているので、ついついキーワードの検索数を調べてしまう習性がぬけません。

 

美しい言葉」はグーグルの月間検索ボリュームは320、「美しい日本語」は1600に過ぎません。

 

サイトに充分なアクセスを集めるためには、運営サイトを、月間検索ボリュームが万単位のキーワードで上位表示させないと難しい、通常、私はそうアドバイスしています。できれば、10万以上あるキーワードが良いのです。

 

要するに、この私の「美しい言葉」は、多くのアクセスは望めない、それは明白。

 

それなのに、時間がないにもかかわらず、あえて「美しい言葉」ブログを開設したのには、確かな理由があります。

 

今年は、手術を受けた後のケアが悪くて、大量出血のために2回も死にかけました

 

死はいつ訪れるかわかりません。私にとって、死はそれほど遠い存在ではない、という感覚が今も消えません。

 

死を強く意識することで、私に2つの変化が生まれました。

 

一つは、命への愛おしさが強まったこと。生命を大事にして、命の炎を純粋に燃やしたという思いが、青春期に負けないくらい募ってきています。

 

もう一つは、原点への回帰です。

 

20歳前後に、私は急激に「言葉の世界」にのめり込みました。

 

その後、器用貧乏といいますか、いろんなことに挑戦してきましたが、ここで私の原点である、「言葉の世界」に没入したいと思ったのです。

 

前置きが長くなりましが、新しいカテゴリ「美しい日本語」、その最初に取り上げる言葉は「風花(かざはな)」です。

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山田太一ドラマ以降、実質、テレビドラマの時代は終わっていた?

先日、山田太一の名作「岸辺のアルバム」についての感想を少しだけ書きました。

 

山田太一「岸辺のアルバム」についての感想

 

「岸辺のアルバム」はテレビ文化が生んだ最高峰の作品の一つだと思います。ということは、テレビドラマは、「岸辺のアルバム」を頂点として、下り坂に入ったことをも同時に意味しているのです。

 

その後、テレビドラマは、トレンディドラマの出現など、視聴率的には黄金期を迎えることになるのですが、人間の真実を深く掘り下げるドラマは、衰退してゆきました。

 

最近になって思うのは、もうテレビを中心とした映像文化は、私にとってほとんど必要でなくなったということです。そう言いつつも、生来のテレビ好きは治らず、毎日かなりの時間、テレビを見ています。しかし、今度という今度は、本当にテレビ文化と決別する時が来たのだと、心底思ったのでした。

 

体も、心も、映像に反応しなくなったので、離れるしかないのです。

 

想えば、物心ついた時から、どっぷりと、映像文化に浸りきってきた気がします。テレビ番組のすべてが無意味というつもりはありません。ただ、CMがこれだけ増えてきて、番組の質が低下し、スポーツ番組にせよ、純粋に感動することは、もう私にはできないと感じるようになったのです。

 

本当に映画を含め、映像が好きで好きで、はまりまくってきた私でしたが、映像が好きだからこそ、今年いっぱいで、完全に映像文化から、サヨナラしようと思ったのです。

 

その思いが強くなった理由の一つに、私が企画した「言響プロジェクト」がありました。このプロジェクトの目的は、一口で申しますと「言葉の力を再発見すること」だったのです。

 

来年からは、受容も表現も、言葉にだけ特化して行こうと決心しました。

 

そのためには、どうしても、テレビを捨てる必要があるのです。18歳で東京に出て数年間、テレビのない生活をしましたが、この年になって、まさかテレビを捨てるとは思ってもみませんでした(苦笑)。

 

仕事上、パソコンは捨てられませんが、PCで映画やテレビを見るつもりはありません。

気分転換は、音楽だけにします。その他の空いた時間は、本を読み、文章を書くか、散歩などしながら、空想を楽しみたいのです。

 

さて、テレビを見なくなってできた時間、まずは、どの本を読もうか、少し悩むかもしれません。

「対比」によってテーマを鮮明に描き出す。

2011年11月6日(日)に東京渋谷にて風花ワークショップを開催しました。

前日の睡眠不足のために終わった後は、疲労困憊の状態でしたが、今夜になって、少し回復してきました。

ワークショップの最後に、川端康成の小説「雪国」の冒頭を例にあげました。さっそく引用してみます。

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。

この書き出しが、なぜ優れているかと言いますと、ワークショップで解説しました2つの効果が活用されているからです。

その効果とは「対比」と「変化」です。

トンネルを抜けると、世界が一変する。この大きな「変化」が、いきなり冒頭で起きているので、読者は小説の世界に没入せざるを得ません。

また「対比」も実に効果的に使われています。夜の黒と雪の白、その対照の鮮やかさが、心の中の光と闇を象徴しているかのようです。

テーマを読者に鮮明に伝えるためには、この「対比」は積極的に使うべきです。

光と影、生と死、愛と憎しみ、絶望と希望、苦悩と歓喜など、両極端な要素を巧みに共存させることで、文章にメリハリが生まれ、テーマが鮮やかに浮かび上がります。

商品説明でも、この対比は応用可能です。

例えばiPad 2について語りたい場合、ライバル商品であるAndroidを、iPodならばWalkmanと対比させるれば、商品の特徴をクッキリと浮かび上がらせることができるでしょう。

芸能・スポーツも同様です。K-POPのKARAについて語りたい時には、少女時代と対比させるとか……サッカー日本代表のサイドバック・長友を語る時には、内田と比較してみるとか……。

この「対比」の手法は、初心者の方でも簡単にできるので、ぜひ活用してみてください。