風花未来の今日の詩は「予想はしていたけれど」です。
予想はしていたけれど
少し前から
予想は
ある程度
していたのだけれど
実際に
予想どおりの
兆候が色濃くなってくると
ただ ただ
ここは
アタフタしてはいけない
そう思うのが精いっぱいで……
抗がん剤の副作用が
強くなってきて
起きているのも辛く
真夏になり
40度を超える
狂気のような暑さがつづき
横になって
心身の衰弱を
耐え忍ぶしかない
半年前
一年前
わたしが
真昼の化学療法室で
確かに見た
あの天使も
あのスワンも
天の川のようなオーラも
今は何も見えない
気配さえ感じられない
寝ている時間が次第に増え
呼吸しているだけで
一日が
アッという間に
過ぎ去ってゆく
これでは もう
ただ ただ
生きているのが精いっぱい
としか言いようがないのだけれど
だけど
この猛暑を
やり過ごしたら
半年前
一年前
いや
もっと前
ずっとずっと前の
わたしらしい
わたし自身に
なれるような気もする
そのためには
今のわたしが抱え込んでいるものを
すべて捨てなければいけないのだろう
でも
果たして
それが
わたしに
できるだろうか……
ひたひたと打ち寄せてくる
衰弱という名の恐怖を感じつつ
そんなことを想った
