風花未来の今日の詩は「真夏の雪」です。

 

真夏の雪

 

真夏の夜に

雪がふる

 

冷えびえとして

身も心も

凍てつきそうな

雪が

雪が

真夏の夜に

音もなくふる

 

夢も

望みも

去りゆき

命も絶えてしまいそうな

真夏の夜に

雪がふる

 

空を見上げても

化学療法で逢った

愛と美の化身は

舞い降りてはこない

 

ただ あの人の

白い後ろ姿だけが

ふとあらわれ

雪のかなたに

消えて行った

 

もう

寒ささえも感じない

 

雪がふる

不思議と明るい

真夏の夜に

雪がふる

 

この夜の向こう側に

新しい朝は

あらわれるのだろうか