風花未来の今日の詩は「その人は」です。

 

その人は

 

その人は

ひょうしぬけするほど

ふつうに

あまりに ふつうに

わたしの前にあらわれた

 

こんにちは

 

かわした言葉は

それだけだった

 

あの日から

これまで

ずっと

ずっと

わたしという

ささやかな物語の

中心に

あなたは

いつづけてきた

 

いろんなことが渦巻き

辛いので

その人を

忘れようとして

ようやく

忘れてしまったことも

想いださなく

なりかけていたのに

 

その人は

呆気ないほど

ふつうに

ごく ふつうに

わたしの眼の前にあらわれ

さっと後方に

消えてしまった

 

真っ白なオーラは

以前のままだった

何のかわり映えもしない

ふつうの日常でも

その人がまとったオーラは

ふつうでない白さで

輝いていた

 

これで もう

その人には

二度と逢えないだろう

 

そう予感したが

振り向けなかった

 

その人のおかげで

真っ白なページとなった

今日という日が

もうすぐ

終わろうとしている