傷だらけのラブソング」というドラマの存在は前々から知っていたのですが、見たことはありませんでした。

 

トラブル起こし、音楽業界から追放された元プロデューサーが、天才少女をトップシンガーに育てようとするという設定。

 

DVDの裏に書かれた、あらすじを読んだ時、かなりベタな設定だし、ありがちな展開が透けて見える気がして、レンタルするのをためらっていたのでした。

 

ところが、今回、実際に借りて鑑賞してみると、このドラマこそ「隠れ名作」という名がふさわしい作品はないのではと感じたのです。

 

「傷だらけのラブソング」は、2001年10月9日から12月18日まで放送されたフジテレビ系全国ネットで放送された関西テレビ放送制作のテレビドラマ。平均視聴率9.7%という低い数字が気の毒に思えるほど、良質なB級エンタメ作品です。

 

元プロデューサーを高橋克典が、彼の妹を加藤あい、歌手を目指す少女を中島美嘉が演じています。

 

「あしたのジョー」の歌手版ともいえる、典型的なサクセスストーリーなのですが、展開を予測できるにもかからず、全11話を一気に見てしまう魅力がこのドラマにはあるのです。

 

日々をやりすごすようにラーメン屋をやっている高橋克典、自分の才能に気づいてもいない非行に走る中島美嘉。2人に共通するのは、傷だらけの魂と歌が好きだということ。2人は自分を変えるために同じ方向に進み始めます。

 

劇中で歌われる中島美嘉の歌声は、純粋で、初々しい。哀しい歌声は、魂の傷口に沁みこむよう聴こえ、想わず我を忘れてしまうほどです。

 

主題歌は中島美嘉の「STARS」。この曲は、ドラマの中で聴くのも良いですが、最も聴きごたえがあるのは、このDVDです。

 

MIKA NAKASHIMA concert tour 2004 “LOVE” FINAL [DVD]

 

もちろん、好みはあるでしょうけれど、私個人としては、中島美嘉の頂点を示すライブDVDだと思っています。このライブで歌われた「STARS」は、J-POPの歴史に残る音楽シーンだ主張したいくらいです。