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黒澤明「素晴らしき日曜日」は、日本版「素晴らしき哉、人生!」。

黒澤明

黒澤明の映画「素晴らしき日曜日」は、まだ見たことがないという人が多いのではないでしょうか。

 

未見の方のために、結論から申し上げますと、非常に良い映画です。ただ、完璧な作品ではありません。美点は捨てがたいが、欠点も少なくないのです。

 

それと、見る前に知っておいてほしいのは、ラスト15分くらいから山場となること。

 

素晴らしき哉、人生!」がそうであるように、「素晴らしき日曜日」においても、ラスト近くで奇跡が起きるのです。

 

それゆえに、ラスト15分まで、どうか粘って見ていただきたいのであります。 続きを読む

黒澤明の「隠し砦の三悪人」を見た感想。

日本映画(邦画) - 黒澤明

黒澤明(くろさわあきら)監督の映画「隠し砦の三悪人(かくしとりでのさんあくにん)」を久しぶりに見返しました。

 

劇場で一度見たきりで、その後は見ていなかったのです。今回はインターネットのストリーム配信で見ました。

 

今回の鑑賞でキッチリと確認できることがありましたので、それについてお伝えいたします。 続きを読む

小林正樹と黒澤明の時代劇を比較してみた感想。

日本映画(邦画) - 小林正樹 - 黒澤明

ずいぶん長いこと、黒澤明の映画は愛好してきました。もちろん、全作品を見ています。

 

自分の中で黒澤明への評価は揺るがないと信じてきたのですが、最近になって、「これは考え直さないといけないのではないか」と思うようになったきました。

 

それは、映画監督・小林正樹(こばやしまさき)の存在です。

 

小林正樹の作品はまだ全部は見ておりません。ただ、強く感じるのは、小林正樹の白黒映画の異様なまでの「完成度」の高さです。

 

本当に「異様なまでに」小林正樹のモノクロ映画は際立った「完成度」を示しています。

 

小林正樹の白黒映画は、黒澤明のそれを凌ぐほどの「完成度」で私を圧倒してやまないのです。

 

この「完成度」をもっと詳しく具体的に説明したいのですが、それがなかなかできません。

 

そこで、黒澤明と小林正樹の時代劇を3作ずつあげて、それらを比較してみることにしました。 続きを読む

「椿三十郎」は黒澤明監督の映画の中で最も完成度が高い作品。

黒澤明

黒澤明監督の映画「椿三十郎」を久しぶりに見ました。久しぶりですが、これまでに5回以上は見ていると思います。

 

今回の鑑賞で気づいたことを、忘れないうちに記しておきたいのです。

 

黒澤明の映画作品の中で、最も作品として完成度が高いのは、この「椿三十郎」である、と今回の鑑賞で確信しました。

 

黒澤明の全作品の中から、ベスト10をあげろと言われたら、私はちゅうちょなく以下の3作品をあげます。 続きを読む