今回の風花未来の詩は「人生で初めての五月」です。
- 風花未来が、風花未来の詩について動画で語りましたので、ぜひとも、ご視聴ください。
⇒【動画】風花未来が自身の詩について激白!
人生で初めての五月
ついに
街に待った
五月がやってきた
雲ひとつない晴天
新緑は一心に萌えている
私はというと
抗がん剤の副作用で
しびれまくった足を
引きずりながら
この森までやってきた
しびれいようがいまいが
五月は五月
青葉若葉の歓びの歌は
誰にも止められない
陽光と萌えいずる命の合唱は
私の心身の隅々までゆきわたり
癒し 力づけてくれる
いつしか
しびれは消え
新緑の輝きを
全身に浴びながら
私は
時を忘れて
その場に立ち尽くす
透きとおった風は
私の心
その奥の奥を
きらめきつつ
吹きすぎてゆく
私の過去のすべてが
いや 生まれる前の
時間の全部が
微粒子となって
風に乗り
輝いているようだ
人生で初の
そして最高の五月が
今 眼の前で
きらめき続けていると
強烈に確信できている
私は身動きもせず
私という存在が
このみずみずしい輝きに
完全に とけ込むまで
じっと 立ち尽くす
立ち尽くしている