人はかけがえのないものを失うと知った時、初めて自分がしなければいけないことに気づく、そういうことはあるものです。
そんなことを教えてくれる、日本の隠れ名作ドラマがあります。
主人公がナレーションで語る、その詩のような言葉の連なりが良いのです。
このナレーションで、一気にハマってしましました。
その隠れ名作ドラマは「神様、もう少しだけ」。
1998年の7~9月までフジテレビで放送されました。平均視聴率22.6%、最終回視聴率28.3%を記録。
主演は金城武と、このドラマでデビューした深田恭子。まだ初々しさ残る、ブレイク前の仲間由紀恵、その怖いほどの美しさも印象的です。また、今は亡き田中好子が、深田恭子の母親役を熱演。
恋人(深田恭子)が病の発症を知った主人公(金城武)が語るナレーションに痺れました。
この語りにより、ラストシーンまでの準備がかたまり、物語は加速し、感動はいやがうえにも高まってゆくのです。
以下が、そのナレーション。
人はなぜ手遅れになってからでないと気づかないのか、
人生の時計が神様の手で巻かれていると。
俺には今、光が見える。
闇にまたたく小さな光だ。
どうか、この光を守ってください。
見ていない間(ま)に、吹き消さないでください。
俺の命と引き換えでもかまわない。
神様、もう少しだけ。
長澤まさみ主演「ラスト・フレンズ」でも注目された浅野妙子さんですが、この「神様、もう少しだけ」も彼女が脚本を担当しています。
このシナリオライターは、ナレーションが上手いですね。
ダラダラと続く日常生活、それが突然、あと少しで終わってしまうと知ったら?
この状況はドラマだけでなく、現実にもよくあります。
自分が不治の病だと知った人が、急に濃密な人生を懸命に生き始めるというケースはよくあります。
自分が、あるいは愛する人が、あと数ヶ月しか生きられないとしたら~、そうした状況にご自分を当てはめてみると、見えてくるものがあるのですね。
ドラマ「神様、もう少しだけ」は、突っ込みどころも多々ありますが、テレビドラマとしての魅力も満載されており、一度ハマルと一気にラストまで見てしまうでしょう。
アマゾンでは多数のレビューが読めますが、28人のレビューアー中、ほぼ全員が最高点をつけているのには、ビックリしました。隠れ名作というより、正真正銘の名作と呼ぶべきでしょうか。
この作品は、DVDボックスを買いました。
一時、発売停止になり、焦って予約したら、再販売になったのです。
こういうDVDは、リクエストが多く集まると再販になるとのこと。何事も、諦めてはいけませんね。