テレビドラマの「遠山金志郎美容室」をご存知でしょうか?

 

1994年7月9日 から 9月24日まで、日本テレビ系列「土曜グランド劇場」枠で放送されました。

 

YouTube動画で一気に最後まで見てしまったのです。

 

「遠山金志郎美容室」には、テレビドラマの良さがパンパンに詰まっていました。

 

今回は、その面白さについてお伝えしましょう。

主演の西田敏行の演技力を抜きにこのドラマの魅力は語れません。

 

しかし、このドラマには四姉妹が出てくるのですが、その四姉妹を演じた女優が素晴らしかった。

 

夏木マリかたせ梨乃本田美奈子中谷美紀

 

特に、かたせ梨乃と夏木マリは、役者パワー全開という感じで、輝いていました。

 

脇役ですが、実に効いていたのが、喫茶店のマスター役を演じた津嘉山正種

 

平成6年の作品ですが、昭和的なコテコテの人情劇が演じられています。

 

前年の1993年には「ひとつ屋根の下」が放送されましたが、「遠山金志郎美容室」は「ひとつ屋根の下」に負けない面白さがありました。

 

気になるのは、脚本を誰が書いたかですよね。

 

松木ひろし、深沢正樹、輿水泰弘、石井信之の4人が脚本を担当しています。

 

松木ひろしは、ホームドラマの大家です。

 

古くは「七人の孫(1964年~1966年)」「S・Hは恋のイニシャル(1969年)」「だいこんの花(1970年)」「雑居時代(1973年)」などの名作があります。

 

西田敏行が主演したドラマの脚本は「池中玄太80キロ(1980年・1981年・1989年)」「明石貫平35才(1983年)」を担当しました。

 

どうやら、ホームドラマの大家が書いた脚本が、このドラマの面白さの土台になっていることは間違いなさそうです。

 

1991年には柴門ふみの漫画をドラマ化した、トレンディドラマの代表作「東京ラブストーリー」が放送されました。1996年には北川悦吏子が脚本を書いた「ロングバケーション」が大人気に。

 

テレビドラマは都会的な洗練されたテイストに変わってゆき、長く続いたホームドラマは終わりを告げようとしていたのですね。

 

そうした流れの中で、1994年に「遠山金志郎美容室」という実に古風なホームドラマが放送されていたのは、実に興味深いと感じました。

 

懐かしさだけでなく、今の時代にこそ、新しいホームドラマが求められている気がしてなりません。