文章はどのようにしたら上手く書けるようになりますか?という初心者の方から質問を受けた時、すぐに想い出すことがあります。
それはある著名な作家の弟子へのアドバイスです。
しゃべるように書いてごらん。そして筆がすべりすぎたら、少し休みなさい。
そのお弟子さんとは、実は水上勉。
そしてお師匠さんは、宇野浩二。
ともに有名な作家ですよね。
この話は、私が仕事でインタビューした、ある女流作家さんから、お聞きしました。
文章はしゃべるように書いてみると良いです。というのは、簡単に書けてしまうから。難し考えていたら、いつまでたっても書き出せません。
でも、ただの「おしゃべり」であっては、言い過ぎたり、取り止めがなくなったりしますから、少し手を休めて、リズムをととのえ、話を整理してゆく必要がでてくるというわけです。
まずは肩の力を抜き、しゃべるように、書き出してみましょう。
文章力を身につける上で最もいけないのは、文章を書くことを特別な行為だと思い込むことです。
心配はいりません。日本語は私たちが毎日使っているわけですから、書けない人はいません。
私だって文章を書くのは子供の頃から苦手で、作文で誉められたことなど一度もなのです。
でも、下手はヘタなりに書いているうちに、何とか文章力と言えるものがついてきました。
文章はもともと人間が生み出したものですから、何も怖がることはありません。
大切なのは、上手く書こうとせずに、ただ書き出してみることです。