私は今、新しい「自分探しの旅」に出かけたところなのだ、そんな気がしています。

 

矢継ぎ早に5冊ほど本をネットで注文しました。

 

高村光太郎に関する本ばかりです。1冊以外はすべて絶版になっていたので、ネットの古本屋で注文しました。

 

高村光太郎の著書を読むことによって、私は「私の原点」に帰ろうとしているのかもしれません。「失われた時間」「置き忘れてきた大切なもの」を取り戻そうとしていると言ったほうが良いでしょうか。

 

それを「自分探しの旅」と、少し感傷的な表現をあえてしたいのも今の心境を素直に表している気がします。

 

なぜ高村光太郎なのかと申しますと、それは私が青春期に目指した3つのことをすべて成し遂げた人だと感じているからです。

 

私が青春期に目指した3つのこととは、以下のとおり。

 

1)彫刻家になること。

 

2)詩を書きつづけること。

 

3)愛に生きること。

 

私は以上の3つのことにすべて挫折してしまいました。違った方向に舵を切ってしまったというか、流されてしまったと言うべきか……。

 

高村光太郎は彫刻家であり、詩人でした。そして「智恵子抄」で有名なように妻・智恵子との愛を貫いた人でもありました。

 

今になって、また高村光太郎のように生きたい、などと大それたことは申しません。

 

ただ、読み返すうちに、自分の体の中の細胞が音たててざわめき始めるのを感じるので、もうどうすることもなく、高村光太郎の書いた言葉をむさぼるように読んでいる次第です。

 

青春期にも読んだことがなかった「定本 高村光太郎全詩集」も注文しました。

 

定本高村光太郎全詩集 (1982年)

 

さすがに、これから彫刻家にはなれませんが、詩を書くこと、愛に生きることはできるでしょう。

 

高村光太郎の最大の魅力は「愚直な人」であったこと。私は今こそ愚直に「自分らしく生きる道」をまっすぐに歩いてゆこうと心に決めました。